米HP、Tru64 Unixの主要機能をHP-UXへ

 米Hewlett-Packard(HP)の開発者は、米Compaq Computerが開発していたUnixからHP-UXへの、主要な機能を移植した。最終的に2つの製品ライン統合を目指すHPの計画の、重要な部分が完了したことになる。

 CompaqのTru64 Unixは、元々ハイエンド向けコンピュータメーカーのDigital Equipment(DEC)が開発したもので、1998年にCompaqがDECを買収した際に、このOSもCompaqのものとなっていた。かつてDigital Unixと呼ばれていたTru64は、複数のサーバをリンクして、あたかも1台のサーバのように機能させる高性能のクラスタリング機能を持つことでつとに名高いOSだった。クラスタリングは長年DECのお得意芸ともいえる技術だったが、同社がこの分野を切り拓いた際に開発したのが、現在OpenVMSオペレーティングシステムとなっている技術の前身である。

 Tru64に含まれるTruClusterソフトウェアをHP-UXに移植する作業を進めていたエンジニアは、いまこのソフトウェアを2つのノードを持つHP-UXクラスタ上で稼動させていると、HPの関係者が語った。この移植に成功したことは大きな手柄といえるが、ただしHP-UXでは、Tru64のように8台のコンピュータで構成するクラスタをサポートすることはできない。

 さらに、HPはTru64からAdvanced File Systemソフトウェアも移植した。同社では、DECが開発していたAlphaプロセッサ搭載マシンで稼動するTru64を徐々にフェーズアウトし、代わりに同社のPA-RISCチップもしくはIntel製Itaniumを搭載したマシンで動くHP-UXを全面に押し出してきている。

 「HPはどんな作業が必要かをわかっており、すでにエンジニアリング計画を策定し、その実現に必要なリソースを割り当てて、現在その計画を実行に移しているところだ」と、HPウォッチャーのTerry Shannonは述べた。Shannonは、この一件を自らの発行するニューズレター「Shannon Knows HPC」のなかで伝えている。

 HPの関係者の話では、同社は来年後半にHP-UX用のクラスタリングソフトとファイルシステムソフトをリリースするという。HPは、このOSで、まず8から16ノードのクラスタをサポートし、最終的には数百ノードをサポートする予定である。

 Tru64の機能をHP-UXへ移行させることは、既存のHP-UXユーザーをつなぎとめ、Tru64ユーザーがSun MicrosystemsやIBMのような競合メーカーの製品に流れないようにするために重要だ。ちなみに、最近SunではTru64ユーザーに狙いを定めた、「HP Away」という乗り換え奨励プログラムを開始している。

 このプログラムで、Sunは、下取りや2週間の無料コンサルティング、移行が完了するまで最大で90日間支払を据え置くなどの諸策を講じている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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