企業はIT予算の縮小により、Webサービス経費を削減せざるを得なくなっているものの、Webサービスプロジェクトは依然、最優先事項とされていることが、23日(米国時間)の米Gartnerの報告で明らかになった。
Webサービスとは、アプリケーション間の情報共有を容易にすることを目的とした、XMLベースの標準やプログラミング技法を集めたもの。一時は、Eコマース・プロバイダとやり取りするコンシューマー向けのサービスとしてもてはやされたこともあるが、現在では異なるシステムを統合する、比較的費用効果の高い方法として企業に受け入れられている。
Gartnerが北米の企業111社を対象に行なったインターネット調査では、回答企業の48%が景気低迷を理由にWebサービスアプリケーションの開発プロジェクトの予算を切り詰めなければならなかったという。また、調査された企業のまる3分の1が、厳しい景気状況にもかかわらず、今後2年間Webサービスへの投資を続けると回答している。
米国企業がWebサービスの利用を強力に押し進めようとしていることが、この調査結果によって示された、とGartnerのアナリストは述べている。
「Webサービス開発プロジェクトは、企業にとって最優先事項であり、全体の予算削減から最も影響を受けにくいプロジェクトの1つとなっている」とGartnerのアナリスト、Nicole Latimerは声明のなかで述べている。
またこの調査では、回答企業の39%が、今後1年間に、セールスオートメーションや注文管理用のシステムなどの社内アプリケーション間のデータ共有に、Webサービスを利用する計画だと述べている。そして54%が、来年、社内アプリケーションおよび社外の提携企業との情報共有に、Webサービスを利用する予定だと回答した。
さらに回答企業の65%が、今後2年間に、企業内および企業間の通信にWebサービスを利用する計画だと述べており、調査対象となった企業では、企業間通信にWebサービスを利用しようというケースがますます増えていることが分かった。
Webサービスの普及が進めば、企業の情報システムの新たな設計方法が生まれ、ITプロバイダが企業顧客に製品やサービスを販売する方法も変わってくるに違いない。プロバイダは「コモディティ化した技術」の販売から撤退し、企業のビジネスプロセスを改善するためのIT実装方法に関する専門技術を強化していかねばならないだろう、と同報告書は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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