音楽業界筋によると、米Buy.comがデジタル音楽ダウンロードサイトを開始し、米Apple ComputerのiTunes music storeと競合する計画だという。
この計画は、米国時間15日にSan Jose Mercury Newsが最初に報じたもので、大手Eコマース企業によるデジタル音楽市場参入への引き鉄となるかもしれない。
デジタル音楽ダウンロードサービスは、業界関係者の間で好意的に受け入れられており、またディスカウントのオンラインストアを運営するBuy.comは「Windowsユーザー向けのiTunes」になることを狙っているともいう。
これに対し、Buy.comの広報担当者はコメントを避けたが、同社では7月22日に重要な発表を行う予定だと語った。
Appleがこの4月にiTune music storeをオープンして以来、数多くの模倣サービスが登場すると言われ続けてきた。Appleの同サービスは、これまで登場したなかで最も魅力あふれる音楽ダウンロードサービスと見られている。その使い勝手のよさや、サービス開始から8週間で500万曲を売り上げたという実績は、業界関係者に同サービスの存在を強く印象付けている。競合する音楽配信サイト側も、すぐさま音楽会社と話し合いを重ね、同様のサービスを行うための権利を獲得しようとしてきた。
多くのコンピューターユーザが夏期休暇をとり、あまり集客が見込めないこの時期だが、それでも早急にサービスを開始すれば、Buy.comはAppleを含むライバル各社に大きな差を付けられるかもしれない。Appleでは、iTuneのWindows版プログラムを早くても2003年末までリリースしないといっているからだ。また、Buy.comでは、以前に社内で開発した技術を利用して、サービス開始を早めることもできるという関係者もいる。
だが、Windowsの世界へ足を踏み入れようとする音楽サービス会社は、どこもAppleがMacintoshの上で経験したより険しい道のりを歩むことになりそうだ。Appleにはある利点があった。同社はiTune music storeのサイトから、ハードウェア、ソフトウェア、そして購入した音楽を唯一聴ける携帯端末iPodまで、音楽を配信する技術をすべて自社でコントロールできたのだ。
この利点がAppleにあったため、音楽の配信方式、楽曲のフォーマット、そしてハード/ソフトをつかったコピー防止用の暗号化技術など、すべてを統合するのが、Windows環境よりずっと簡単になった。それに比べて、さまざまな音楽フォーマットやデジタル著作権管理技術をサポートする、いろいろなブランドのMP3プレイヤーやデジタルオーディオ端末が存在するWindows環境では、この作業はずっと困難になる。
業界アナリストの話では、Buy.comがAppleの場合とよく似た戦略をとり、安価で手軽な音楽のダウンロード販売を行い、それと共にもっと利益率の高いほかの関連製品を提供して、そちらで利益を上げようとしているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」