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クリエイティブ・コモンズ---知のイノベーションを守るために - (page 2)

かみむら けいすけ2003年07月18日 08時00分
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コンテンツの「標準契約書」

 ところで、冒頭で紹介したバナーをクリックしてみよう。すると「Commons Deed」と書かれたページが表示されるだろう。さらに、その中にある「Legal Code (the full license)」とあるリンクをたどると、何やら英語で(しかも小難しい英語で)書かれたページが表示される。

 これは、バナーが貼られた最初のページや、そのページにある画像や音楽などのコンテンツがクリエイティブ・コモンズ・パブリック・ライセンス(以下CCPL)という契約書に基づいて公開されていることを示している。このバナーをたどると表示されるCommons Deed(コモンズ証書)は、そのライセンスの内容を平易な言葉で説明し、アイコンを使って視覚的に表現したものだ。そして、その次に表示されるLegal Codeは、ライセンス、つまり契約書の本文に相当する。コンテンツは、この条件に従う限り、オンライン、オフラインを問わず自由に利用することができる。

 ちなみに、クリエイティブ・コモンズの文脈では、自由に共有、あるいは利用できるということは、著作者以外の利用者がコンテンツを複製したり、頒布したり、公の媒体に表示・上演・送信したりできることを意味する。CCPLで公開された画像や楽曲であれば、許諾の手続きを心配することなく自分のホームページで自由に使うことができるということだ。

 ところで、「賃貸住宅標準契約書」というのを知っているだろうか。これは、アパートやマンションなどの不動産を貸し借りするときに使われることを想定した契約書のひな形だ。不動産物件は、間取りや広さ、付帯する設備が一つ一つ異なるものの、それを賃貸するというときには、物件を超えて共通する条件も少なくない。それなら、契約書を共通化し、予め公開しておけば、契約書の文面をチェックするための手間を初め、さまざまなコストを最小化することができる。第三者の目に触れる機会が増えれば、契約書の透明性や公平性も高めることができるだろう。

 CCPLもこれと似た発想と言える。違うのは、CCPLがコンテンツの利用契約書のひな形だという点だ。CCPLは、著作者の著作権上の権利を保護するための条文が盛り込まれている一方で、コンテンツの共有が妨げられることのないような配慮もされている。共有されていく過程で、原著作者の意図に反して、コンテンツがある特定の作品や製品の中に囲い込まれてしまったり、商業作品の中に組み込まれてしまうことも未然に防ぐことができる。

 注意したいのは、クリエイティブ・コモンズ協会は、コンテンツのための利用契約書のひな型を提示し、それを利用するためのツールの提供や、その普及のための啓発活動をしているにすぎないということだ。CCPLの中にも明記されているように、クリエイティブ・コモンズ協会は、契約の当事者ではない。当事者は、あくまでコンテンツの著作者と、そのコンテンツを利用する利用者なのだ。

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