マサチューセッツ州検察局は、米Microsoftが、反トラスト法裁判における和解命令に違反して、Linuxを潰そうとしたかどうかを調査している。
マサチューセッツ州は、Microsoftに対して反トラスト法違反の責任を現在も追及している唯一の州だ。同州は裁判所への提出書類のなかで、「和解命令の遵守に関連した、いくつかの問題に着目している」と述べている。たとえば、Microsoftが、Linuxを推奨した不特定のコンピュータメーカーに対して報復措置を取らなかったかどうか、また、インターネットサービスプロバイダ(ISP)との間で不法に制限の多い契約を結ばなかったかどうか、といった問題だ。
Microsoftは、自社のソフトウェアの地位を脅かす重大な脅威として、オープンソースのOSであるLinuxに攻撃の照準を合わせてきている。
Microsoftの代表者は、この検察局の主張を否定した。「Microsoftの判決遵守は、綿密に監視されている。また、我が社では和解命令をしっかりと遵守している」と、同社広報担当Jim Deslerは7日(米国時間)に語った。
「Microsoftの和解命令遵守が、複数のレベルで徹底されていることを考えると、今回の申検察局の申し立ては不思議だ」とDeslerは言う。「Microsoftは社内で、和解命令遵守を厳格に監視している。また、取締役会でも遵守が徹底されている。社外では、司法省や和解した州が監視している。それに、裁判所の目もある」(Desler)
マサチューセッツ州検事Thomas Reillyは、7日に公開された7月3日付の8ページの文書の中で、他の州は、Microsoftが判決に違反しているかどうかの判断に十分協力的でないと述べている。このn文書には、「マサチューセッツ州は現状を踏まえ、和解命令違反の可能性の調査を自ら開始した」と記されているが、その詳細は記されていない。
和解の当事者の1つである司法省は、先週独自に行なった申し立てのなかで、Microsoftが他者にWindowsの内部へアクセスを認める際に料金を徴収する計画であることに対し、競合企業が苦情を述べていると述べた。これに答えて、司法省では依然としてこの計画に「懸念を抱いている」と語った。
なお、連邦地裁判事Colleen Kollar-Kotellyによる判決で決定した、Microsoft是正策に対するマサチューセッツ州の控訴尋問は、11月4日に行なわれる予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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