米Hewlett-Packard(HP)は2日(米国時間) 、LinuxをプレインストールしたデスクトップPCを、今までよりも簡単に購入できるようにすると発表した。これは一見取るに足らない変化だが、しかし2年前には起こりえなかったものだ。
HPは、中小規模のビジネスに向けたマイクロタワー型PC、HP Compaq Business Desktop d220に、Windowsまたは仏MandrakeSoftのLinuxディストリビューションをプレインストールして出荷することを決めた。また、最近発表したHP Compaq d530を含めて、Linux搭載デスクトップの品揃えを広げていく。
PCの購入者は、予めWindows OSがインストールされたパソコンを買うのを当然のことと看做しているが、Linuxをプレインストールしたマシンというと、つい最近までサーバやワークステーション、もしくはデスクトップPCでも大量に購入した場合に限られていた。ビジネス向けPC用のOSとして、LinuxがWindowsに競合できると考えている人々にとって、今回のHPの動きは1つの勝利といえよう。
Linuxで動かすデスクトップPCを提唱する人々は何年も前からいたが、企業や公官庁がWindowsに替わるOSとしてLinuxを採用しだしたのは、つい最近のことだ。最近の例では、独ミュンヘン市が1万4千台のマシンをWindows NTからLinuxに切り替える決定を行っている。米IDCによれば、Linuxは今年中にMac OSを抜き、デスクトップPCの市場シェアで第2位になると予想されている。
HPは、使いやすさをセールスポイントにしたMandrake Linux 9.1を、デスクトップ機でのWindowsの代替OSとして提供する。価格は500ドルを下回るものもあり、たとえばd220は349ドルで、ゆくゆくはこれが399ドルのHP Compaq Evo d310vにとって替わることになる。これらの機種はいまのところ欧州のみの販売となる。
米Dellも一時期、OSにRed Hat Linuxを搭載したデスクトップ機をオプションで提供していたが、2001年にはこの提供を取り止めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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