孫兄弟、オンラインゲームでコンテンツ市場を制覇できるか

藤本京子(CNET Japan編集部)2003年07月03日 19時59分

 ソフトバンクグループは3日、新ブロードバンド戦略としてオンラインゲームポータルサービスを開始すると発表した。ソフトバンクBB代表取締役社長の孫正義氏と、その弟でビー・ビー・サーブ代表取締役社長の孫泰蔵氏が共同で今月25日にオープンするのは、「BB Games」。オンラインゲーム先進国である韓国のゲームメーカー80社を含む110社と提携し、「本年度末までに100タイトル以上を同ポータルにて展開する」(孫正義氏)という。

 孫正義氏は、現在日本のブロードバンド人口が1000万世帯を突破したことや、ブロードバンドの通信料金が世界で一番安価であるということを引き合いに出し、「ブロードバンド大国としてのインフラはほぼ整った」としている。だが、料金的にも日本ほど安価でない韓国のブロードバンドの世帯普及率が約70%であるのに対し、日本の世帯普及率はいまだ約22%にとどまっている。それは「コンテンツ面で遅れをとっているためだ」とし、「オンラインゲームこそブロードバンドのキラーコンテンツだ」と語った。

 同氏は4年前、当時韓国の大統領であった金大中氏に「韓国の経済発展のためにどうすればよいのか」とのアドバイスを求められたことがあった。そこで孫氏は、「PCとインターネットはアメリカにトップの座を握られている。世界トップになるにはまだ未開発であるブロードバンドを普及させればよい」と提案したのだという。そのため、国家予算で全ての学校にブロードバンドを引くこと、そして生徒にブロードバンドを利用してもらうよう、生徒が自主的にやりたいと思えるようなもの、つまりオンラインゲームを国で促進すればよい、と同氏は大統領に伝えた。

 その翌月、韓国では大統領命令として全ての学校にブロードバンドを引くことや、インフラの規制緩和などが発令されたのだという。その結果、韓国がブロードバンド大国となったのは誰もが知るとおりである。「当時私は日本政府にも同じように多くのアドバイスをしたにもかかわらず、日本は大統領制ではないのでなかなか韓国のようにはいかなかった」と語る孫氏だが、現在ではインフラ面では韓国に追いついたとし、「インフラの次はコンテンツだ」という。

ソフトバンクBB代表取締役社長孫正義氏(左)と、ビー・ビー・サーブ代表取締役社長孫泰蔵氏

 正義氏の弟である泰蔵氏は、日本でのオンラインゲームの成功例として知られるラグナロクオンラインを提供するガンホー・オンライン・エンターテイメント社の代表取締役も務めている。ラグナロクオンラインは2001年11月に試験サービスを開始し、2002年12月に月額料金1500円と有料化、2003年6月末で有料会員数が26万5000人となっている。BB Gamesでももちろんラグナロクオンラインが提供される予定だ。

 今回BB Games立ち上げに向け、2002年12月に設立されたビー・ビー・サーブで代表を務める泰蔵氏だが、ビー・ビー・サーブでは各ゲームメーカーとの提携をはじめ、オンラインゲームのプロモーション活動や有料ゲームの課金・決済代行などをソフトバンクBBと共同で行っていくという。

 正義氏は「あおぞら銀行を売却して得た資金もすべてブロードバンドにあてる」というほど、ブロードバンド事業には常に意欲的。Yahoo! BBで日本のブロードバンド普及に貢献し、赤字ながらも市場シェアトップを勝ち取った同氏だが、オンラインゲーム戦略で「更なるブロードバンドの普及に努めたい」としている。「ゲームは、オフラインで日本がトップを走っている。だが今後ゲームはすべてがオンラインに移行していくだろう」とし、兄弟そろってコンテンツ市場でも積極的な展開に望む考えのようだ。

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