米Oracleは米国時間6月30日、同社が米PeopleSoftに仕掛けている敵対的買収に関して、米司法省から、さらなる情報提供を要請するセカンドリクエスト(追加請求)を受け取ったことを明らかにした。これまで噂されていた追加請求が現実のものになったことで、米司法省が独占禁止法を視野に入れた本格的な調査に乗り出すことになる。
この追加請求により、Oracleは所定の関連情報を収集し、司法省に提出しなければならない。司法省はこの提出資料をもとに、買収の継続を承認するか、異議を申し立てるかを判断する。
情報提出の期限は特に設けられていないが、反トラスト訴訟に精通した弁護士によれば「通常は数カ月以内に回答する」という。しかし、敵対的買収がからんだ場合、「買収を予定する企業は、数週間以内に情報を提出する傾向がある」(米Drinker Biddle & Reathの共同経営者のHoward Morse)
Oracleの広報担当であるJim Finnは、司法省の動きについて「我々が提示する買収の規模や適用範囲、さらに同じく調査対象となっている、PeopleSoftの米J.D. Edwards買収も踏まえると、(追加請求は)予測していたことだ」と語る。
Oracleの敵対的買収に関しては、コネチカット州がすでに反トラスト訴訟を起こしており、複数の州がこれに続く動きをみせている。「司法省の追加請求は、Oracleの敵対的買収が独占禁止法に抵触するという我々の見解を裏付けるものだ」(コネチカット州司法長官のRichard Blumenthal)
また、Blumenthalは「今後の司法省の決定にかかわらず、コネチカット州の反トラスト訴訟は継続する」と語っている。
反トラスト問題の調査が本格化する中で、Oracleは7月7日の公開買付期限を延長する可能性が高い。Oracleは現在、63億ドル(1株あたり19ドル50セント)でPeopleSoftの株式買付を提示しているが、さらに価格を引き上げる可能性も匂わせている。
Finnによれば、OracleはPeopleSoft買収が順当に進むと考えている。「司法省がこの件に関与して2週間も経っておらず、この短期間では、複雑な企業向けソフトウェア市場を評価できなかったのだろう。Oracleは、司法省が今回の買収を反トラストに該当しないと判断し、買収取引が時宜を得たものとして成立すると楽観視している」(Finn)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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