米IBMは米国時間6月25日、中規模企業を対象とした製品やサービスの拡充について明らかにした。同社がこれまで大規模企業向けに提供してきたWebSphereソフトウェアやGlobal Servicesを、従業員が100人〜1000人規模の中規模企業向けに提供する。
IBMは、中規模企業向け製品をExpressというブランド名のもとで提供している。同社は今年、宣伝キャンペーンに2億ドルを投じ、中規模企業向けに開発したアプリケーション、サービス、ハードウェアの普及促進を図る。
今回発表したExpressソリューションには、WebSphereポータルソフトウェアの新製品、IBM Global Servicesの新パッケージなどが含まれる。WebSphere Commerce Expressでは、企業の迅速なEコマース用ウェブサイト構築・管理を支援する。また、WebSphere MQ Expressは、企業が異なるアプリケーションを連携させ、効率的に利用できるようにする。Expressの各製品は、「導入と管理に手がかからない」(IBM)という。
中小企業1社が購入するハードウェア、ソフトウェア、サービスは、Fortune 500企業に比べて小さいものの、これらが寄り集まった場合、IBMのような企業にとっては、大きな事業機会となる。IBMのほか、米Hewlett-Packard(HP)や米Dell Computerなどが、中小企業をターゲットとした多くのプログラムに取り組んでいる。
IBMの中小企業担当ジェネラルマネージャー、Marc Lautenbachは「中規模市場では、これまで大企業を相手に取り組んだ、複雑な計算処理トラブルの解決実績が役立つと考えている。今や中規模企業向け事業の売上高は、当社の総売上高の約22%にのぼる」と語る。
同氏はさらに、「中規模企業の大半は分散したシステムの統合化という問題を抱えており、小さい企業ほど米MicrosoftのWindowsを使用しがちだ」と述べる。実際、今回のIBMの中規模市場参入は、中規模企業向け分野で勢力を誇るMicrosoftへの挑戦ともいえる。
IBMはMicrosoftとの競争にあたり、「当社はExpress製品群をパッケージ構成にして、購入手続きを簡素化した。さらにExpressのための融資サービスを導入し、顧客がIBMの利用料を月決めで支払えるようにしている。中規模向け市場で地位を確立するためにも、MicrosoftのOfficeやWindowsで行える以上のものを提供する必要がある」(Lautenbach)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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