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SCOがIBM提訴を決めた本当の理由 - (page 2)

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 私たちは自社の財産権を守るために行動しているのです。宝石店を経営していて効果なダイヤモンドを所有しているとしましょう。ある朝目覚めたら、人々が店にきてダイヤを取り、代金を払わずに出て行こうとしているのに気付いた。誰もが立ち上がりこう言うでしょう。待ちなさい、店を出る前に代金を支払いなさい、と。

 皆が嫌がるのはわかります。今までは無料で持って行っていたのですから。しかし、当社に財産権があることに変わりありません。そして、当社が株主に対して当社の権利を守る責任を負っていることにも変わりはありません。

---Novellの関与は意外でしたか。Novellはなぜあんなことをしたのでしょう。

 ここ数日でわかったことなのですが、この件についてNovellとIBMには何らかの関係があるようです。ですから、IBMとの契約が動機になっていたのではないかと疑っています。

 もちろん、驚きました。巨人と戦っていた最中に、横から誰かに殴られた、別の敵が攻撃を仕掛けてきたんです。初めは驚きます。しかし、そいつと巨人との間に関係があることがわかってくる。そうすれば意外なことではなかったと気づきます。

 IBMとの訴訟において、当社は著作権に関することは何も言っていないにも関わらず、Novellから攻撃を受けたのです。私たちはIBMとの論争を4日間ほど停止して、Novellの攻撃を根絶しました。今は当初の焦点だったIBMとの問題を解決することに集中しています。

---Novellとの一件は契約の文章が不明瞭だっただけということですか。

 最終的には、Novellが引出しの奥底にある修正契約書を見つけようとしなかったことが問題でした。当社が修正契約書を持ち出したら、Novellは自分が投げた球を拾って帰っていきました。

---SCOは契約書の文言に問題があると早いうちから気付いていましたね。IBMを提訴する前に、この問題に対処しておけばよかったのではないでしょうか。

 IBMに対して著作権侵害を訴えるつもりなら、その通りと言えます。実は、昨年中にNovellと何度か話し合いの場を持ち、著作権に関する文言を整理しようと試みましたが、Novellは明文化しない道を選びました。

 当社はIBMを提訴するにあたり、著作権には全く触れないつもりでした。だからこそ、Novellが著作権の問題を指摘したのは興味深いことなのです。長期に渡ってパートナー関係を築き、私自身が8年も働いたことのある企業があのような行動をするとは、予想外でした。

---MicrosoftがUnixに関する権利を取得した経緯は。

 Microsoftがこれを好機と見たのです。SCOは当初からMicrosoftに対して、ライセンスに関する新しい方針、つまり当社にはこういった知的財産権があり、それをベンダーに対して主張するつもりだと伝えたのです。IBMにも同じ働きかけをしました。昨年末に話をしたのは大手ベンダー4社で、うち2社とは契約を結びました。もう1社とはまだ交渉中で、IBMとの話し合いは暗礁に乗り上げました。

 Microsoftは今回の契約で、Microsoft社の製品とUnix関連商品との相互運用性の向上に役立つソースコードを使用する権利を取得しています。これによりUnixとWindowsの統合強化が可能になります。

---MicrosoftはこれをLinuxとの戦いにおける武器にしようとしている、という見方もあります。

 Linux界は多数派の意見に従うのが大好きなんです。しかしその見方に真実はありません。私たちは当社の知的財産権についてきちんとしたライセンス契約を結び、MicrosoftのUnix関連製品に当社所有のソースコードを使用することを認めました。産業界は知的財産権を尊重するグループと尊重しないグループの2つにわかれたようです。そして前者、つまりSCOに賛同し正しい方向に向かって何らかの行動を共にする企業は、現在攻撃の的にされています。

 Microsoftだけではありません。「このコードには見覚えがある。SCOの主張は正しい」と発言したせいで、攻撃の的となった業界アナリストもいます。SCOのウェブサイトや、SCO寄りの記事を書いた記者のサイトを標的にした、DoS攻撃もあります。当社に味方するものが現れると、必ず誰かがそれを攻撃しようとします。

---今回の一件が引き起こした敵意の強さに驚いたことは。

 敵意の強さには驚きを感じていますが、敵意を向けられることには驚いていません。新しい方針を選択する際に、IBMでさえ「権利の強化を主張するのは無理だろう。Linux界がこぞってSCOに反対する」と言いました。IBMの説明では、「IBMはソフトウェアの配布を行っているわけではないのでIBMを提訴することはできない。Linux界の開発者には金がないし、SCOに敵意を抱くようになるだろうから、彼らを提訴することもできない。顧客も訴訟なんか望んでいない」となります。

 当社の知的財産権が侵害を受けているかどうかは問題とされず、「一体何をするつもりなんだ」という態度でした。当社はこれを不当な扱いと理解し、当社は一歩踏み出して、公正な判断を求めたのです。非難を浴びているか?もちろんです。集中砲火を浴びています。しかし、それは正しいと思う道の追求をやめる理由にはなりません。

---IBM側がこの件を早急に解決したいと考えた場合、SCOを買収すればいいという意見もありますね。その可能性はありますか。

 当社を売却するつもりはありません。私たちは権利を行使しようとしているのです。当社の市場、例えばRed Hatと直接競合しているUnixWare OSの市場では、過去2年間で200万台のサーバが市場に出されています。UnixWareの定価は1500ドルですから、約35億ドルの売上げになります。

 Linuxが普及し人々に高く評価されているのは、UnixWareと同じような価値を無料で提供しているからです。顧客が気に入るのは当然です。CDが無料で手に入るNapsterが皆に愛されたのと同じ理由です。

 しかし当社の見方では、無料のOSを市場に出して当社と競合するのであれば、知的財産権の問題に敬意を払うよう体制を整えるべきなのです。

---先に話を進めて、この一件がSCOに有利な形で収拾したと過程しましょう。次に何が起こるのですか。Linuxのユーザー全てに請求書を送るのですか。

 5月にはこの問題に関する通知を発送しました。6月には問題の経過について開示しています。

 この一件を典型的な訴訟どおりに進めたら、何らかの結論を見るまでに何年もかかるのではないかと、大いに心配しています。市場に不確定要素が広がり続けるのは、良いことではありません。そこで積極的な対応を進めています。つまり、人々がこの問題を理解できるように、証拠の一部を開示しています。

 6月の終わりには、より多くのユーザーから反響を得ることができるでしょう。7月頃には、全体の状況の解決策と今後の対応について公の場で話ができると思います。現状について言えば、このライセンシング問題の影響について直接的な声明を出す用意はできていません。

---数年前を振り返れば、SCOもLinuxの後援者のひとつでした。それに関するオープンソース界からの反応はどうですか。

 何らかのメリットもあります。実際に私たちはLinuxを取り扱っていました。2つのビジネスを分けてきたのです。そしてその過程で、Linuxで利益を得ているのはLinux製品のベンダーではないことがわかりました。当社がまさにそのベンダーでしたから。

 1999年から2000年にかけて、多くのベンダーが大規模なIPOを実施しました。しかし、そのうちの多くが撤退もしくは不調に終わっています。無料のLinux製品のベンダーはうまくいかないのです。

---それこそが悲劇のもとだったと。

 その通りです。無料のものを売り、利益が出ない。非常に驚くべきことです。Red Hatでさえ、ある四半期でわずかな黒字を出しただけで、また赤字に落ち込んでいます。

 このようなモデルが発展するためには、市場における主要企業が自分たちに有利に働くような経済モデルを築く必要があると強く感じています。

---そうして、オープンソース界はSCOに裏切られたと感じるようになった。

 確かに、そこには家庭内不和のようなところがあります。しかし状況が進展すれば、人々は当社の権利を理解すると信じています。当社はUnix関連の製品に数億ドルを投資してきたのに、それが攻撃され、Linuxに使用されているのです。人々がより合理的な見方をするようになり、現実的に起きていることを理解すれば、オープンソース界も当社についてもう少し妥当な見方をするようになり、付き合い方も変わると信じています。

---IT担当者がLinuxの導入を考え直すようになるという点で、後悔の念はありませんか。それとも、良いことをしていると考えていますか。

 とても良いことをしていると確信していますよ。あるIT販売業者が全社的なシステムを導入しようとしている最中だと考えてみてください。例えば5800の店舗へのシステム導入を目前にして、この問題について耳にしたとします。もし、当社が問題を先送りにしたばかりに、半年または1年後の新しいシステムの試験中にこの問題について耳にした場合と比べてみてください。

 後者の場合、その会社は新システム投入直前ではなく、システム投入最終段階に入ってしまっています。そして当社を非難するはずです。「去年の春にはわかっていた問題を、今まで隠してきたのか。随分じゃないか」と。

 短期的には、確かに混乱が巻き起こっています。しかし、ユーザーの立場から見ると、問題について後で知らされるよりも、今すぐ知らされるほうがよっぽどいいと確信しています。

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