Wi-Fiホットスポットの将来に疑問の声

 「公衆無線インターネット接続サービス、ホットスポット設置のための投資はほとんど無駄」という内容の調査報告が19日発表された。

 無料または有料の無線インターネット接続が可能な公共の場所に、公衆無線LAN(WLAN)とホットスポットの設置が次々と進められているが、アナリストグループForresterのレポートによると、Wi-Fiを使ってのWLANやホットスポット利用者が大きく増える見込みは薄く、これらのビジネスが継続できるかどうかは疑問だという。

 ForresterのシニアアナリストであるLars Godellは、現在WLANやホットスポットの普及に大きな期待がよせられ、その騒ぎぶりは「まるでドットコムバブルやバブル崩壊のことを、もう忘れてしまったかのよう」だと語った。

 「現在WLANの普及のために膨大な資金が投じられており、設置場所はバー、マリーナ、ホテル、空港、さらには電車やバスや地下鉄の駅構内など様々だが、どれも無駄な投資だ」(Godell)

 Forresterによると、Wi-Fi無線通信ができるラップトップコンピュータやPDAの保有者は、2008年までに欧州で5300万台程度に止まる見込みだ。また、料金を負担してでもWi-Fi無線ホットスポットを利用する意思があるのは、そのうちの770万人にすぎないという。

 Wi-Fi業界内部でも、無線インターネット接続業者側が魅力的な価格設定をしていないことに対する懸念が高まっており、新規獲得利用者数も期待はずれと言われている。

 Forresterの予測では、Wi-Fiよりも、これに競合する短距離ワイヤレステクノロジーのBluetoothの普及が進み、2008年までに欧州でのBluetooth機器の保有者は2億8600万人となる見込みだ。

 イギリスのホットスポット業者BroadscapeのディレクターTheo Plattも、Wi-Fiネットワークのビジネスは成功しないというForresterの見方に賛成である。しかし、彼はBluetoothホットスポットが成功するとも考えていない。

 「BluetoothよりもWi-Fiの公衆インターネット接続技術のほうが上だ。Bluetoothは10メートル程度の範囲にしか無線が届かないが、Wi-Fiなら100メートルくらいまでカバーする。Wi-Fiのほうが通信速度も速いし、さらには一箇所で多数のユーザーによる接続が可能だ。Bluetoothの場合は一度に7人までしか接続できない」とPlattは説明している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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