米Sun Microsystemsは11日(米国時間)、米Dell Computerおよび米Hewlett-Packard(HP)と契約を結び、DellとHPが出荷する全てのパソコン製品にJavaが搭載されることになった。これにより、Javaの配布にあまり積極的でない米Microsoftを迂回する恰好となる。
この契約は11日朝に結ばれ、Sunの代表が同社のJavaOneカンファレンスで発表した。Javaはプラットフォーム非依存のプログラミング言語であるため、他のプログラムの土台としてのWindowsオペレーティングシステム(OS)の重要性が薄れることから、MicrosoftとSunの間では、Javaに関するいざこざが何年も続いてきている。MicrosoftはWindows XPからJava技術を外そうと戦っている。
「Javaが遍く存在するようにと、われわれは最大限の努力をしている。MicrosoftはWindowsからJavaを除外しようとしているが、これで全く苛立つこともなくなる」と、Sunのソフトウェア部門エグゼクティブ・バイス・プレジデント、Jonathan Schwartzはカンファレンスの席上で忠実なJavaファンに語った。
Javaプログラミング言語、およびそれをサポートするソフトウェアは、さまざまな異なるシステム上で、プログラムを書き換えるすることなく稼動できるのが特徴だ。Javaは、Windowsに代わってデスクトップコンピュータでソフトを稼動する基盤となったわけではないが、サーバと携帯電話という、Microsoftがあまり優勢でない2つの分野で人気がある。とくに、携帯電話分野でのJava人気は、最近顕著に高まっている。
Microsoftは1996年にJavaのライセンスを受けたが、同社がJava技術にWindowsマシンのみを対象とする変更を行ったため、Sunとの間で訴訟が起きている。両社はこの訴訟で和解に達したものの、Microsoftが行ったJavaの変更は、2002年にSunが Microsoftを訴え現在も係争中の、反トラスト法訴訟の焦点となっている。
MicrosoftはJavaのアイディアの多くを、同社独自のC#プログラミング言語や.Netソフトウェアで採用している。
DellとHP、そして以前から製品にJavaを搭載してきたAppleとの契約は、ほんの始まりにすぎない、とSchwartsは声明で述べている。「より多数のパソコン(メーカー)や消費者アプリケーションプロバイダ大手が、Sunの最新Java Runtime Environmentの配布を始めると見込んでいる」(Schwarts)
Microsoftは、過去何年もJavaを出荷してきているが、それは1997年のバージョンで、新しい機能の多くがサポートされていない。DellとHPは、最新のJavaバージョンを搭載したコンピュータを出荷する、とSunは話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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