IBM、新たなカスタムチップ製造サービスを開始へ

 米IBMは16日(米国時間)、効率的なカスタムチップ製造サービス「Customized Control Processor(CCP)」サービスを開始する。既存のプログラムに新たな趣向を加えることで、顧客の時間とコストの節約に貢献し、さらなる利益増を図るのが目的。

 IBMによると、IBMの半導体関連製品部門IBM Microelectronicsが、カリフォルニア州サンノゼで開催されるEmbedded Processor Forumで、同サービスを発表する予定という。このプログラムのもとで、IBM Microelectronicsは、ネットワーク周辺機器プロバイダや家庭用家電メーカーなど各クライアントに合わせて設計されたSOC(system-on-a-chip)プロセッサを開発する。これらのチップは、完全にカスタマイズされているわけではなく、幅広い製品で使用可能なプロセシングコア(またはブロック)をベースにする。

 「顧客の依頼してくるチップのデザインのうち、7〜8割が同じものであることを発見した」と、IBM Microelectronicsのカスタムチップソリューション担当バイスプレジデントTom Reevesは語る。「顧客はみな、同じ基本構築ブロックを求めた。従来、これらの顧客はどこも、設計作業を自分たちで繰り返し行っていたが、この製品を使えば一度で済んでしまう」(Reeves)。

 IBMはさらなる利益増を目指し、チップの製造・研究・設計におけるほかの企業にはない専門技術の売込み強化を図っており、このプログラムもそうした取り組みの一環として実施される。

 IBMではすでに、Sony、Advanced Micro Devicesなどの大手チップメーカーと協力しており、またNvidia、Qualcomm、Xilinx向けのチップを製造している。同社の目標は、自社の製造工場を持ちたくない、あるいは新型トランジスタまたは新種材料の研究支援を行う経済的余裕のない、およそ20社の大手企業に対して、チップ関連の後見人役を務めることにある。ある意味で、IBMはIntelの最大のライバルとなりつつある。

 CCPサービスでは、チップにあらかじめ構築したPowerPC 405プロセッサコアを組み込み、最初から新しいコアを設計する手間を省くことにより、チップの開発期間の短縮を目指す。このサービスを利用することで、設計に費やしていた労力をプロセッサのカスタマイズ--例えばそのチップが使用される製品向けに特別な機能を追加するなど--に向けることが可能となる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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