SCOはUNIXのソースコードをオープンにしたのか?

 自社の所有するUNIXの知的所有権を、Linuxが侵害したと訴えている米SCO Groupだが、自らもLinux製品を出荷していた。このことが、同社の主張を弱めているとする複数の組織の見解に対して、SCOは「根拠のないこと」と、これを一蹴している。

 SCOは、UNIXに含まれる同社独自のソースコードが、Linuxカーネルの中に不法に複製されたとしている。これに対し、SCOはLinux製品をオープンソースライセンスを条件に出荷したのだから、そのUNIXのコードのほうももはや私有物ではない、と批判する人たちがいる。

 しかし、UNIX関連の知的財産とそのライセンスからの収入に社運を賭けるSCOは、ソースコードをオープンにすることは自社では実際に行わなかったような熟慮を求められることだと信じている。

 この問題は、General Public License(GPL)の重要な信条に真っ向から光をあてることになった。GPLはLinuxの心臓部であるカーネルについて、その所有や配布の条件を規定しているもの。同ライセンスでは、ソフトウェアに変更を加えて再配布する場合、その変更部分の公表を条件に、プログラムの基底にあるソースコードを、だれもが自由に見たり、修正を加えたり、再配布することができるようになっている。

 この問題に関心を寄せるのは、GPL関連訴訟の法整備を待ち望む知的所有権専門の弁護士だけではない。これはIBMにも影響を与える可能性がある。同社は、SCOから、UNIXからLinuxへ技術を移行する際に、業務上の機密を不正流用したとして、10億ドル以上の賠償支払いを求める訴えを、この3月に起こされている。さらに、この訴訟の影響が、Lufthansa、Deutsche Bank、Panasonic、Daimler Chryslerなど、Linuxを利用する大企業各社にも波及することも在りえる。

 法律事務所Carr and Ferrellで、知的所有権を専門にする弁護士John Ferrellによると、これはSCOやその相手が考えているように明快な答えの出る問題ではないという。

 「この問題に明確に回答できるなどと口にするのは、頭がいかれた人間だ」(Ferrell)

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この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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