Microsoftは、長年初心者向けとして販売してきた同社のFrontPageウェブオーサリングソフトを、今後は企業をターゲットとした製品とすると発表した。
同社は10日、今夏発売予定のFrontPageの次バージョン、FrontPage 2003の詳細を発表した。FrontPage 2003が連動する他のOffice System製品も、今年中に発売が予定されている。
FrontPageの従来のバージョンは、消費者や小規模企業が簡単なウェブページを作成するのに便利な、簡素なウェブ編集ツールだった。しかし新バージョンは企業を真正面からターゲットとしており、プロのウェブデザイナーやIT管理者にもアピールできるよう、数々の拡張がなされている。
FrontPage 2003が旧バージョンと最も異なるのは、Office 2003シリーズの他の製品と同様、拡張マークアップ言語(XML)をサポートしたことだ。XMLは異なるコンピュータシステム間でのデータ共有の標準として、急速に支持を集めている。
他の製品におけるXMLサポートは、データベースなど企業のバックエンドシステムとのデータのやり取りが中心だが、FrontPageではバックエンドではなく、フロントエンドとのデータのやり取りが中心となる。FrontPageで作成されるXMLアプリケーションは、データベースから適切な情報を取り出して、ウェブページを見るユーザーに表示する情報を絶えず更新する。
「われわれはXMLを使い、ウェブページを静的なものから動的なものに拡張し、複数のデータソースと連動するデータ駆動型にできるよう、重点的に取り組んだ」とMicrosoftの製品責任者Melisa Samuelsonは述べている。
Samuelsonによると、FrontPageのコード記述インターフェースも大幅に改訂され、デザイナーはコードと他のアプリケーションの間を簡単に行き来できるようになったという。
Microsoftが新FrontPageで目指しているのは必ずしも、MacromediaのDreamweaverやAdobe SystemsのGoLiveなどプロフェッショナルなウェブオーサリングパッケージと競合するものではない、と調査会社Directions on MicrosoftのアナリストRob Helmは言う。FrontPageは、Microsoftの他のソフトウェアやサービス、とりわけSharePointをサポートするよう設計されている。SharePointは、企業の社員が文書やデータを共有するためのサーバやデスクトップ・コラボレーションソフトを集めた製品だ。
「もしかすると、MicrosoftはMacromediaやAdobeから企業顧客の一部を奪おうとしているかもしれない。しかしFrontPageには、Microsoftがサーバでやりたいことをサポートするという重要な役割がある。Microsoftは、サーバリソースを簡単に利用できるようなツールが必要なのだ」(Helm)
FrontPageの従来版は、Office生産性向上アプリケーションスイートのほとんどのバージョンに同梱されていたが、新バージョンはスタンドアローン製品としてのみ販売される。価格はまだ発表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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