米Microsoftは、小売会社やメーカーによる在庫管理のための、無線周波数タグの標準開発に取り組むベンチャーに参加した。
Microsoftは10日、Uniform Code CouncilとEAN Internationalとの非営利ジョイントベンチャーであるAutl IDと協力し、Radio Frequency Identification(RFID)タグの商用・技術標準を開発すると発表した。
サイズが非常に小さく、将来は商品パッケージのバーコードに取って代わる可能性のあるRFIDタグは、スキャン時にコンピュータとワイヤレス通信する特殊なマイクロチップを使用している。商品が、メーカーから配送会社、店舗、そして顧客へというサプライチェーンを動く間、商品に取り付けられたタグが自動スキャンされて、商品が追跡される仕組みだ。RFIDタグは現在、1個あたり50セント前後だが、現実的に個々の製品で使用されるには価格を大きく下げる必要がある、とアナリストらは話している。
それでも小売各社では、RFIDタグを強く推奨している。小売大手のWal-Martでは今週、上位100社のサプライヤーに対して2005年までにRFIDタグによる在庫管理を導入するよう呼びかける予定だ。
プライバシー擁護派は、この技術について、とくに衣服などにチップが利用されることに懸念を表明している。そのため、製品への実用化が進むまでにはオフスイッチがつくと見られている。
Auto IDは、無線周波数とネットワークシステムを使用して商品を同定する、Electronic Product Code Network標準を開発する。Microsoftによると、同社は当初、製造セクターと小売セクターのサプライチェーンに重点をおいて開発を行なっていくという。さらに、その後は提携企業と協力して、サプライチェーン全体のRFID技術開発を行なっていく意向だ。
Allied Business Intelligence(ABI)の調査責任者Ed Rerisiによると、RFID市場は単にタグとその読取り機だけの話ではなく、ソフトウェアやサービス会社が参入する大きなチャンスがそこにあるという。
「Microsoftは、RFID在庫管理システムのバックエンドの統合がなされていない状況に、対処しようとしている」(Rerisi)
ABIでは、RFIDのタグや読取り機、ソフトウェア、サービスなどによる収入は、2008年までに80億ドルにまで増加すると予測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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