イラク戦争、「短期的にはハイテク産業に影響なし」

 米国がイラクに対する軍事行動を米国時間3月19日に開始したのを受けて、米国の企業やアナリストらはその翌日、「短期的には、今回の戦争がハイテク産業に悪影響を与えることはない」との見方を明らかにした。

 大手チップメーカーの米Intelは、多くのハイテク企業と同様に、世界中に事業拠点を配置している。中東地域では、イスラエルに2つのチップ製造工場と研究開発施設を持つ。しかしIntelの広報担当者Chuck Mulloyによれば、「(イラク戦争による)販売や経営面の問題は生じておらず、これまでのところ影響はない」という。同氏は「現在は情勢を見守っているところだ」と語っている。

 大手パソコンメーカーの米IBMも戦争による被害は出ていないという。IBMの広報担当者Theo Chisholmは次のように語っている。「IBMは中東で事業をほとんど行っていない。このため(今回の軍事行動は)当社の従業員や経営活動において、直ちに重大な脅威をもたらすものではない」(同氏)。

 調査会社の米GartnerのアナリストFrench Caldwellは、「IBMとIntelで戦争の影響がないということは、ハイテク産業全体でも影響がないといえる」と分析。「この戦争がハイテク産業に甚大かつ直接的な影響を直ちに及ぼすとは考えられない」(同氏)という。

 また同氏は、米国が短期的な勝利を収めた場合、「世界規模で景気が改善されるかもしれない」とも語る。この場合「企業は今後18カ月間で情報技術に新たな投資を行なう可能性がある」という。これに対して戦争または緊張関係が長引いた場合には、「企業はIT業務の海外への移管を控えるよう」になると述べた。「企業がサービスの信頼性に懸念を抱くと考えるためである」(同氏)。

 開戦により企業の海外出張が控えられているが、これについて米Motorolaの広報担当者Shelagh Lester-Smithは、「海外との通信は全く問題にならない」と語っている。「過去数年の景気停滞により、企業はウェブ会議などの技術を用いて、遠く離れた場所から業務を遂行するようになっている。これまでのこうした環境整備が、戦時下のいま役立っている」(同氏)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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