UPDATE 「App Store」を通じてデジタルサブスクリプション(定期購読)を販売したいパブリッシャーに対してAppleが米国時間2月15日に発表した要求事項を、米国の独占禁止法に関する規制当局が調査していると、事情に詳しい情報筋からの話としてThe Wall Street Journal(WSJ)が報じた。
米司法省および米連邦取引委員会(FTC)が関心を示しているのは、AppleがパブリッシャーにApp Storeを経由させ、各購読料から30%徴収することが独占禁止法に触れないかという点だ、と情報筋はWSJに語っている。ただし、当局がサブスクリプションサービスの規約に関心を示しているといっても、これは予備的な段階で、正式な調査に発展しないかもしれないという。
Apple、米司法省、FTCからのコメントは得られていない。
Appleは15日、App Storeを通じて雑誌、新聞、動画、音楽を販売するサブスクリプションサービスを発表した。同社の説明によると、価格と購読期間はパブリッシャーが設定できるが、AppleがApp Storeで決済を処理し、売り上げの30%を受け取る仕組みになっているという。
パブリッシャーとApp Storeの関係は独占的なものではなく、パブリッシャーはサブスクリプションを自身のウェブサイトで販売してもいいし、既存顧客に無料アクセスを提供することもできる、とAppleは説明する。
しかし、Appleのサブスクリプションシステムは、すでにApp Storeに登録されているのと同じ課金情報を利用して多くの消費者に利便性を提供する。また、「iPad」などのApple製品向けにコンテンツを展開するためにApp Storeを利用したいパブリッシャーは、同ストアを通じて最も安い価格で購入できるようにしなければならない。パブリッシャーのアプリケーション内にApp Store以外の場所へ誘導するリンクを設けたり、App Store以外の場所でさらに魅力的な価格で提供することは禁止されている。
パブリッシャーがアプリケーションに外部と同じ購読料金を設定するように求めるAppleの規約は、「(配信)チャネルによって異なる価格でサブスクリプションを販売するパブリッシャーの慣行とぶつかる」恐れがあると、Magazine Publishers Association of Americaの元上級バイスプレジデントChuck McCullagh氏は先日、米CNET NewsのGreg Sandovalに語った。こうした配信チャネルには、パブリッシャーのウェブサイト、ダイレクトメール、ニューススタンドなどがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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