Googleは2月に入り、「Street View」のような形で世界の偉大な芸術を間近で見ることができるというプロジェクトを発表した。
「Google Art Project」と呼ばれるこのプロジェクトでは、世界有数の17の有名美術館が所蔵する貴重な絵画や彫刻などの芸術作品にリモートアクセスすることができる。参加美術館はニューヨークのメトロポリタン美術館と近代美術館、ロンドンのナショナルギャラリーとテートブリテン美術館、マドリードのソフィア王妃芸術センター、フィレンツェのウフィツィ美術館、アムステルダムのゴッホ美術館などだ。
Google Art Projectの責任者Amit Sood氏は、同プロジェクトを発表したブログ記事で、当初は17の美術館が所蔵する少なくとも1000の作品にアクセスすることができ、各施設から1作品は「『ギガピクセル』レベルの写真キャプチャ技術」を使用して高解像度で表示されると説明した。
Sood氏によると、同プロジェクトは基盤の1つにGoogleのStreet View技術を使用しているという。
しかし、Googleは自社だけでこのプロジェクトに取り組んだわけではなく、Schematicという企業と提携した。Schematicは、Google Art Projectを構成する数々の技術を統合する作業を支援し、多くの美術館との協業においても大きな役割を果たした。Schematicのユーザーエクスペリエンス担当エグゼクティブバイスプレジデントJason Brush氏は米国時間2月7日、このプロジェクトについてのインタビューに応じた。Brush氏はインタビューの中で、史上最大級の規模の芸術作品コレクションを取り扱ったことや、勤務時間の「20%」を使って何か面白いことをしようというGoogle社員との共同作業ついて話した。また、人によっては歴史上極めて重要な絵画と初めて接する機会となるこのサイトでのエクスペリエンスを、質の高いものにする上で課題となったものについて語った。
--インタビューに応じてくださりありがとうございます。感謝申し上げます。ではまず、世界最高峰の芸術を世界中のユーザーに届けるプロジェクトに、自分が参加することになったと知ったときのお気持ちをお話しいただけますか。
Brush氏:まず、このプロジェクトで協業することになったGoogle社員が考え出したアイデア自体の壮大さに圧倒されました。ウェブが実現できることの可能性をまさに最大限に引き出すプロジェクトであり、わたしがニューメディアに関心を抱くきっかけとなったコンセプトともいえるものでした。思い浮かんだのは、世界のどこかの公共図書館にいる子どもが、このサイトが集めた一流の美術館のホールを歩き回ることができるという情景です。将来もこういった美術館に行く飛行機代を出せず、これらの芸術作品を印刷品質の高い本で見ることさえできないかもしれないような子どもがです。Googleでこのプロジェクトの責任者を務めるAmit Sood氏から、参加するよう声をかけてもらったことは非常に光栄でした。
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