Googleは、最新機能に関心があり、なおかつバグやクラッシュが多いことに耐えられるユーザー向けに、ウェブブラウザ「Google Chrome」の第4のバージョン「Google Chrome Canary」をリリースした。
Canaryは、Chromeの3つの現行バージョン(安定版、ベータ版、開発版)のいずれとも併存させてインストールできると、GoogleのプログラマーであるHuan Ren氏は先週、メーリングリストに寄せたメッセージで述べている。これにより、開発者は同じコンピュータ上で異なるバージョンをテストしやすくなる。ただし、Canaryは現在のところWindows向けしか提供されていない。
Chrome愛好者にとってさらに興味深いのは、Googleが開発版を上回る頻度でCanaryをアップデートする計画だということだろう。開発版の最新バージョンは、およそ2週間ごとにリリースされている。
GoogleのMark Larson氏は、上述のメーリングリストで次のように書いている。「Canaryは通常、開発者向けチャンネルより頻繁にアップデートされることになっており(その分クラッシュのリスクは高い)、われわれは良好なナイトリービルドが完成するごとにCanaryをアップデートできるよう取り組んでいる。Chromeの最新機能のテストを支援したいすべてのユーザーに、Canaryを推奨する。Canaryユーザーから得られたデータ、特にクラッシュの統計値は、われわれがより迅速にリグレッションバグを発見し、修正する上で役立つ」
つまりCanaryには、問題の存在を早期に知らせる「炭鉱のカナリア(canary)」としての役割があるのだ。
Canaryを毎日アップデートする一方で、GoogleはChromeの安定版もこれまでより頻繁にリリースする計画だ。安定版はこれまで、およそ四半期に1度の頻度でリリースされているが、Googleはこのペースを2倍に速めたいと考えている。
Googleブラウザの次期メジャー版「Chrome 6」については、開発者が先ごろ、安定化のためコード変更の凍結(コードフリーズ)を行ったことから、近々ベータ版がリリースされる可能性が高い。
Chromeは、2008年9月に最初のベータ版がリリースされて以来、着実に利用シェアを伸ばしてきた。「Chrome 5」では、「Mac OS X」および「Linux」向け安定版もリリースされた。
Googleはまた、2010年中にブラウザベースOSの「Google Chrome OS」をリリースする計画だ。Chrome OSはLinuxをベースとしながらも、各アプリケーションはブラウザ内で動作するもので、クラウドコンピューティングの概念を体現した一例といえる。
Canaryは、すでにインストールされている他のバージョンのChromeとは別のハードディスク領域にインストールされるが、徐々に拡大しているChromeの同期機能によって、同じように挙動することができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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