カリフォルニア州レッドウッドシティ発--米国時間5月14日に公開された裁判所の文書によると、Appleは紛失した次世代「iPhone」の写真をGizmodoが掲載した翌日、地元警察に対し、同スマートフォンを捜査するよう催促し、そのプロトタイプは値段が付けられないほど貴重なものだと捜査官に話したという。
米CNETなどのメディア機関からの要請を受けて、サンマテオ郡の判事が公開した文書(PDF)には、法執行機関とAppleの弁護士および幹部陣が4月20日に開いた会議の内容が少し記されている。またこれらの文書には、問題の夜、刑事が迅速に証拠を回収するために、レッドウッドシティのガソリンスタンド、教会、茂みに急行したときの様子も記されている。そこにはサムドライブが1台と1GバイトのLexar Media製コンパクトフラッシュカード1枚が隠されていたという。
法執行機関との会議の中で、Appleの弁護士であるGeorge Riley氏は刑事に対し、Gizmodo(Gawker Mediaの一部)が同デバイスの証拠を掲載したことによる損害は計り知れないほど大きいと話した。刑事が作成し、5月14日に開示された宣誓供述書によると、Riley氏は「その記事がなければ現行のApple製品を購入していたであろう人も、次の製品がリリースするまで買い控えるようになる。これは全体的な売り上げを減らし、Appleの収益に悪影響を及ぼすだろう」と述べたという。
Appleの広報担当責任者であるKatie Cotton氏は14日、「われわれは犯罪だと思われる行為について報告しており、サンマテオ郡の地方検事が現在担当している」と米CNETに話した。
裁判所文書とともに開示された電子メールメッセージによると、Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は、問題の記事が掲載された翌日にあたる4月19日、Gizmodoの編集者Brian Lam氏に自ら連絡し、4G携帯電話の返却を求めたが、Lam氏は「その携帯電話が本物であることをAppleが正式に認めない限り」返却には応じない考えを示したという。
Lam氏は次のように記している。「現在のところ、わたしたちに失うものはない。最近は、AppleのPR(広報)からわたしたちは冷たくされている。このことが、『iPad』のローンチに関する、われわれの記事に影響を与えている。だからわたしたちは、外へ行って、今回のような独自の話を、非常に積極的に探しに行かなければならない」(Gawker MediaはApple製プロトタイプに最大10万ドルを支払うと申し出ている)
カリフォルニア州レッドウッドシティ在住の21歳のBrian Hoganさんは、バーで問題の携帯電話を見つけた。しかし、サンマテオ郡保安官事務所の刑事であるMatthew Broad氏が作成した宣誓供述書によると、重要な情報を提供したのはHoganさんのルームメイトであるKatherine Martinsonさんだったという。Martinsonさんは4月21日、Appleに電話をかけてHoganさんがその携帯電話を調べたことを知らせ、証拠として何枚かの写真を送った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」