エムゲームジャパンは、2007年8月よりオンラインポータルサイト「エムゲームポータル」を立ち上げると発表した。
「エムゲームポータル」では、同社がサービスを提供いているオンラインゲームをはじめ、カジュアルゲームやダウンロードゲームを提供するほか、ブログやサークルなど、コミュニティシステムを搭載し、ユーザー満足度の向上を図るとしている。
また、「エムゲームポータル」の一番の特徴として、MMORPG「英雄オンライン」と連携したアイテムオークションサービスの提供が行われる。
今回の「エムゲームポータル」で一番の特徴といえるのが、アイテムオークションシステムだ。
このサービスは、エムゲームジャパンがサービスを提供するMMORPGのゲーム内アイテムを、webサイト上でユーザー同士が取引できるというもの。
当初は「英雄オンライン」のみの対応だが、後々は他タイトルでの運用も視野に入れられているとのことだ。
オークションは、出品する商品に値段をつける通常のオークションと、欲しいアイテムに値段をつけて募集する逆オークション、そして決められた価格で即決される即決形式の3つの方式を選択することができる。
また、出品状況や落札アイテムの履歴確認などが可能な、オークション管理機能「マイオークションページ」や、出品者、落札者の評価機能もサポートされる。
出品したアイテムと代金(ゲーム内の仮想通過)のやりとりはサーバ上で自動的に行われるため、取引にともなうトラブルもおきることは無いだろう。
今回のサービス導入の背景として、エムゲームでは「ユーザーの利便性向上」と「RMTや不正売買対策」の2つの面を持っていると説明している。
そのため、エムゲーム側では、特に重要なアイテムをのぞき、出品できるアイテムについては内容、数、ともに制約はできるかぎり設ける予定はないとしている。
ただ、オークションによってアイテムの自由な取引が可能になった場合、アイテムの価格が乱高下して、ゲームバランスが崩れる可能性が考えられる。
この点については、エムゲームもそういった事態を十分想定しているとのことだった。しかし、それよりも導入することによるユーザーの利便性向上のメリットが大きいと判断をしたため、今回の導入に踏み切ったとのことだ。
ゲームバランスについては、オークションの利用状況を鑑みて、随時調整をしていくとしている。この点については、業界初の試みとなるため運営側もノウハウを蓄積しながらの運用になるということだろう。
さて、オークション以外のサービスについても、すこし説明が必要だろう。
「エムゲームポータル」では、会員向けサービスとして、ゲームをはじめ様々なコンテンツと機能が提供される。中心となるのは、やはり同社がサービスを提供しているMMORPGタイトルだが、ダウンロードゲームやブラウザで楽しめるカジュアルゲーム(エムゲームポータルでは、"ライトゲーム"と記載している)なども提供される。
また、ブログ機能やサークル機能など、オンラインゲーム外でのコミュニティ活動が行えるツールなども用意される。
これら機能は、"マイエム"と呼ばれるマイページ上にカテゴリーをカスタマイズして表示させることができるため、ユーザーにとって使い勝手の良いサービスとなっている。
サービススタート時点で「エムゲームポータル」が窓口となるタイトルは、以下の通り。
「エムゲームポータル」では、ブログ機能も提供される。
基本的には、一般的なブログ機能のほとんどが網羅されている。ただし、エムゲームポータルにログインしないと閲覧ができないため、一般に公開することはできない。足跡機能や友達登録といった機能も充実しているので、オンラインゲームの仲間とのコミュニティを加速させるためのツールといえるだろう。
同じゲームをプレイするユーザー同士、もしくは同じ趣味を共有するユーザー同士が集まって情報共有することができるコミュニティーサービスも提供される。エムゲームポータルでは、「サークル」という名前が付けられている。
機能としては、掲示板や画像掲示板、メール機能(メーリング機能もあり)などが提供される。
これら「エムゲームポータル」の機能を利用したユーザーには、ポイントがたまる「マイレージシステム」も搭載されている。
「マイレージシステム」は、ゲーム、ブログ、オークションのそれぞれに独立したマイレージシステムが存在しており、コンテンツを利用することによって溜めることができる。たまったマイレージによって、特別なサービスを受けることができるようになる。
首都圏ベンチャーフォーラム分科会の"オンラインゲームフォーラム"が先日発表した、オンラインゲームの市場調査によれば、2006年のオンラインゲームの国内市場規模は1000億円を突破した。
これは、タイトル数の増加と、料金の課金形態の変化(月額定額制からアイテム課金制に移行)により、オンラインゲームを楽しむユーザー数が大きく増加したのが要因といえる。
しかし、現在サービスが提供されているPCオンラインゲームタイトルは200本を軽く越えており、競争はさらに激しくなることが予想される。
さらに、アイテム課金による1ユーザーあたりの平均売り上げは、オンラインゲームフォーラムが集計を開始した2004年から、4000円前後で横ばいの状態という数字も発表されている。
"はじめやすい"ということは、裏を返せば、"やめやすい"ともいえる。
今回エムゲームは、アイテムオークションをはじめ、様々な機能を実装したポータルサイトサービスでユーザーの利便性を高め、顧客満足度を上げるという施策を打ち出した。
もちろん、第1にゲームパブリッシャーに求められるのは、快適なプレイ環境に他ならない。しかし、それだけでは差別化できないという、ゲームパブリッシャーの想いの表れともいえる。
ポータルサイトとしてのサービスと、ゲーム内の運営が密接に関連を持った新しいサービスの形として、エムゲームのチャレンジに期待したい。
エムゲームジャパン
http://www.mgame.jp/
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