ほんの1年前には、このカテゴリは存在していなかった。だが2009年1月のConsumer Electronics Show(CES)で、「Atom」プロセッサ搭載のオールインワンPC数機種が登場してから、このカテゴリは市場において、デスクトップPCで本格的に注目される分類となった。
Appleの1200ドルの「iMac」が長らく支配してきたカテゴリは突然、これを模倣した見た目のよい製品であふれかえっている。こうしたPCは従来の「Windows」デスクトップPCより処理能力は低いが、価格が安いという面もある。これらは「ネットトップ」と呼ばれ、デスクトップPCのサブカテゴリとなる。ネットトップはネットブックと同じく、一般的にはAtomプロセッサを搭載し、「Windows XP」またはLinuxのバージョンが稼働するコンピューティングプラットフォームとして定義される。オールインワンのフォームファクタと、ほとんどのデスクトップPCより小型のスクリーン(15インチから19インチ)を組み合わせてあり、本質的にはデスクトップカテゴリにおけるネットブックだ。
DisplaySearchのノートPC市場調査担当ディレクターJohn Jacobs氏は「1年前だったら、ネットブックがノートPC市場のシェアを奪うことはないと言っただろう。その後経済が落ち込んだ」と語る。それ以来、ノートPCを求める多くの人々が、標準的な800ドルのフルサイズノートPCの代わりに400ドルのネットブックを選ぶようになっている。
「ネットトップにも同じようなことが起こると考えている。ノートPCの携帯性が必要なく、単にインターネットが使えて基本的なコンピューティング作業ができるものを求めている、退職者層またはより年齢が低い人々の間でそうなるだろう。ネットトップ、それにオールインワンPCは非常に魅力あるデバイスとなり、これまで手を出さずにいた多くの小売業者がこれに飛びつくと予想している」(John Jacobs氏)
DisplaySearchによれば、オールインワンPCはカテゴリ全体で、2009年は600万台以上に成長し、2010年には700万台を超えるという。出荷台数においてほぼ80%急増することになり、2008年末には予想もしないことだった。
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