さる11月26日に発売開始されたNTTドコモのD905i、SH905iで、インターネット接続可能な国内発売の携帯電話・PHS端末、いわゆる「ブラウザフォン」が600モデルを突破した。内訳はNTTドコモが237機種、auが176機種(2005年11月にウェブ接続サービスが終了した13機種を除く)、ツーカーが32機種、ソフトバンクモバイルが140機種、ウィルコムが16機種となる。
第1号である1999年2月22日発売のNTTドコモ F501iから数えて、8年ちょっとで600機種が発売されたということになる。日本という単一の国家で、しかも大半のモデルが国内メーカーによって開発、市販されたというのだから、これこそ「ケータイ大国ニッポン」を象徴する出来事といえよう。世界中どこを見渡しても、1カ国の中でこれだけたくさんの端末メーカーがあり、国内向け主体にケータイを生産している国はなかろう。
そして何を隠そう、私はケータイコレクターを自負している。所有するケータイ端末は1989年頃から1998年頃までのモデルを中心に千数百台程度だ。ちなみに1999年以降のモデルは、本当に気に入ったモデルしか購入していないのでそれほど数は多くはない。もっぱら日本のケータイ史を証明するための歴史的旧機を中心に、コレクションしているといったところだ。
その私でさえ、この600モデルの山には驚かされた。一口に「600モデル」と言っても、その量は半端ではない。会議テーブルに山積みにしてこんな感じなのである(なおこの端末撮影は、実機テストサービスを行うKSKフレックス・ファームケータイ・マイスタの協力により、同社が保有する600台の端末を使わせていただいた)。
この600モデルの山から、近年のケータイの歩みを象徴する端末をピックアップし、日本のケータイの歴史を振り返ろう。
ブラウザフォン1号。テレビリモコンみたいなフェースが当時でもかなり個性的だった。今見ても新鮮な印象だ。じつはこのモデルが登場する前年頃、単体でEメールやパソコン通信ができる端末が試行錯誤の上発売されていた。全面タッチパネルのものとか、まるでお弁当箱のような形状のものとか、とにかく「普通」のケータイ形状からはかけ離れたものが多かった。
当然ヒットすることなく世の中から消えていったが、iモードはこれらの端末の反省を踏まえ「普通のケータイの形」でメールやブラウジングができることに気を使ったという。その結果が、大ヒット。
iモードに対して、IDO/セルラー(現au)はEZaccess/EZwebというコンテンツサービスを提供開始した。その第1号機がC201H。HTMLベースのiモードに対してHDML(携帯電話向けのコンテンツ記述言語)を採用。メールはいちいちネットにアクセスして、接続状態にして読む必要があった。iモードのようにワンプッシュでアクセスできるボタンもなく、とにかく使い勝手が悪かったところが今となっては懐かしいかも。
わが国でカラーディスプレイを備えたモデルの第1号である。モノクロの液晶は、それはそれで見やすかった。明るい屋外でもくっきりと文字が見えたわけだし。一方、このモデルのようにカラー化してみたものの、明るい屋外では全然文字が見えないし、電池は食うし、ということで当初はカラーディスプレイ化も賛否両論だった。
「初物の不幸」は何といっても対応コンテンツが少ないということ。カラーディスプレイを生かせるサービスもこのモデルの登場によってお目見えするようになったわけで…。とはいえ、このモデル以降あっという間にカラーディスプレイ搭載端末だらけになっていったし、今さらモノクロディスプレイに戻ることだってできないわけだ。何といっても、カラーディスプレイ化によって日本のモバイルコンテンツの飛躍的な発展に寄与した功績は大きい。
お詫び:記事中、NTTドコモ N2001とNTTドコモ SH2101Vのキャプションが間違っておりました。関係者の皆様にご迷惑をおかけし、また読者の皆様を混乱させたことを深くお詫び申し上げます。
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