ハリウッド映画業界はインターネット小売業のAppleとオンライン・ビデオ・レンタル・サービスのNetflixをテレビ局の潜在的な競争相手であるかのように扱っている。
iTunesとNetflixが提供するデジタル映画のストリーミングサービスを利用する顧客は2008年11月最終週からの2週間で、両サイトから消えている、または削除予定の映画タイトルが増えていることに気がついた。MacWorldが米国時間12月6日に掲載した記事では、MacWorldの寄稿者の1人がiTunesでこれから視聴しようとブックマークに登録しておいた15本の映画のうち9本が利用不可能になっていたことに気がついことが書かれている。削除されていた映画には「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」「イースタン・プロミス」「フィクサー」が含まれていた。
「ライセンスに関する何らかの問題があると推測される。それにしてもこれらの映画が跡形もなくサイトから消えたのは少し異常だ。ひどいホラー映画のようだ」とMacWorldのDan Moren氏は記事に書いた。
確かに妙だ。原因は、ハリウッドの映画会社やテレビ業界に数十年にわたり何十億ドルもの利益をもたらしているシステムにある。AppleとNetflixはそのシステムにあるウィンドウに衝突したのだ。「リリースウィンドウ」とはある種のメディアが映画を提供できる期間を示すのに使用される言葉だ。通常、長編映画はまず劇場で公開、その後DVD、続いてペイパービューチャンネル、最後にテレビで放映される。
販売やレンタルが開始されると、リリースウィンドウによって小売業やビデオレンタルサービス業が影響を受けることはまずない。例えばComcastが「カサブランカ」を放映する時にWarner Bros.がBest Buyに立ち入り「カサブランカ」のDVDを棚から一掃することはない。またUniversal Studiosの作品「グラディエーター」がABCで放映される時に街角の小さなビデオ店がそのDVDをUniversal Studiosに引き渡すことはない。しかし、インターネットストアの場合扱いが異なる。つまり、iTunesやNetflixではテレビ局の放映に伴って映画が利用可能になったり利用不可能になったりする。
NetflixとAppleの広報担当者はこのライセンス要件に基づいてサイトから作品を削除したことを正式に発表した。
AppleやNetflixの利用者が持つだろう大きな疑問は、ウェブストアが小売業者ではなくエンターテインメント会社であるかのように扱われる理由だ。
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