「Google Friend Connect」「Facebook Connect」「MySpace Data Availability」、OpenID、DataPortability。大量のログイン情報やパスワードを管理する方法が突如として簡単かつ分かりやすくなったように見える。
ここ数日のうちにウェブ界の著名な企業から、ウェブユーザーがインターネットで統一されたソーシャルメディアIDを持てるようにするという、だいたい同じような目的を持った新しいプロジェクトが次々と発表された。そして「データポータビリティ」という一般的な用語も知られるようになった。最初にNews Corp.傘下のSNSであるMySpace.comが、メンバーがプロフィールデータをeBay、Yahoo、Twitterなどの提携サイトと共有できるようにするData Availabilityを発表した。その翌日にはFacebookがデベロッパーAPIの拡張であるFacebook Connectを発表した。これはサードパーティーのサイトがFacebookの認証とユーザーIDを利用できるようにするものだ。
一方、Googleが米国時間5月12日に発表したFriend Connectは少し趣が異なっている。このプロジェクトはソーシャルウェブの接続機能をより「ソーシャルでない」サイトに追加するという目的を持ち、2つのあまり目立たないソーシャルネットワーキングの戦略にヒントを得たものである。Yahooが買収したウィジェットメーカーの「MyBlogLog」では、人気の高いブログの読者同士が互いに交流することができる。また、Viacomが提供する「Flux」は自社のサイトに相互運用可能なソーシャル機能を追加するものだが、他の参加者にも開放されている。
SNSによって自社の価値を高められるほどソーシャルネットワーキング分野で高い信用を得られていないオールドメディアの大手企業によって開発されたFlux、そしてこれまでのところ技術系ブログコミュニティーを超えて人気が広まっていない新興企業のMyBlogLogは、いずれも(まだ)大成功しているとは言い難い。ソーシャルネットワーキングとデベロッパー活動の世界最大のハブを持つことによって企業としての活動の場に何か変化が生じるのだろうか。GoogleとMySpaceがそれぞれのプロジェクトでオープンなデベロッパー規格を採用すると宣言したのは良い兆候だ。例えばGoogleは、OpenID、OAuthそして「OpenSocial」(独立した団体として分離する前にGoogle社内で開発された規格)を活用する。一方、Facebookはまだ技術的な詳細を発表してない。
しかし、ある著名なデータポータビリティの伝道者は、われわれはソーシャルウェブがより緊密に接続されたものになるか、それとも単に混迷の度合いが増すだけなのかの曲がり角にさしかかっているとほのめかした。
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