2008年は、無料かつ合法的な音楽サービスがブレイクしそうだ。
数人のアナリストは、音楽業界はCDやデジタル著作権や有料配信サービスから音楽の無料提供へと重心を移すべきだ、と提言している。彼らによれば、音楽業界がいまだに掘り当てていない鉱脈が何であれ、それは広告収入を通じてもたらされるはずだという。
しかし、楽曲と広告収入を交換するという考え方は、何十年もディスクの販売に依存してきた音楽業界の幹部たちには恐怖感を抱かせるものだ。そのため、彼らは広告収入モデルに対していまだにバリケードを築いている。音楽の無料配信に挑戦する企業の側が目立った成果をあげていないことと相まって、今もなお、ビジネスモデルをゼロからスタートさせようとしている状況だ。
Pali Capitalが運営する「Pali Research」のアナリストRich Greenfield氏は最近、「大手のレコード会社は、広告収入モデルを取り入れ、音楽をダウンロードできるようにすべきだ」と書いた。ただし、「大手のレコード会社にその気がないことは承知している」と付け加えている。
実際、問題の1つは、無料音楽配信サービスには目立った成果を上げていないものが多いことだ。この分野で競合する企業は、運営面でのトラブルを抱えていたり、サービス開始の数カ月の延期を余儀なくされたり、財務面で苦労していたりといった状況だ。
ニューヨークに拠点を置くSpiralFrogは、かつては無料音楽配信の世界で最も有名な企業だったが、最近になって新たな融資を受けたことを発表している。今回の融資額は200万ドルだ。また、SpiralFrogが、当初の予定より8カ月遅い2007年9月にようやくサービスを開始した時、4大レコード会社の中でSpiralFrogに音楽を提供したのはわずか1社だった。
しかも、SpiralFrogのサービスには、ユーザーが簡単に音楽を利用できないような数々の制限が設けられている。「iPod」に楽曲を転送できず、曲を聴く前にアンケートへの回答を強いられ、大学生でなければ利用できない、といった具合だ。これだけ制約が多いと、無料の音楽のありがたみも相殺されてしまう。
考慮すべきなのは、違法なファイル共有サイトにはこうした障害が全くないことだ。
それなりに名前が知られているSpiralFrogやRuckus Networkなど一部の企業は、メディアから「iTunes」の対抗馬と言われて持ち上げられていたが、彼らは、主要なライバルであるPtoPネットワークと本格的に戦っているわけではない。実際のところ、レコード会社が無料音楽サービスに望んでいるのは、ユーザーが著作権侵害をしなくても済む魅力的なサービスを誰かが考え出してくれることなのだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」