Microsoftが主力デスクトップソフトウェアから多額の利益を上げるのを何年も目の当たりにしてきた競合企業が今、反撃に出ている。
IBMは米国時間9月18日、オープンソース製品「OpenOffice.org」がベースの無償デスクトップアプリケーションスイート「IBM Lotus Symphony」を発表した。
長年にわたるMicrosoftのデスクトップ支配に挑戦を続けてきたコンピューティング大手のIBMは、Lotus SymphonyはMicrosoftのプロプライエタリな「Office」に代わる標準に基づく選択肢だと述べた。
また、9月17日午後にはYahooが、「Microsoft Exchange」と「Outlook」に類似したウェブベースの電子メールとコラボレーションのパッケージを開発した新興企業Zimbraを3億5000万ドルで買収すると発表した。
一方、Googleは9月17日に、ウェブベースの文書エディタおよび表計算アプリケーションを補完する「Google Presentations」を発表したが、これはMicrosoftのプレゼンテーションツール 「PowerPoint」のオンライン版と言える。
生産性ソフトウェアの相次ぐ投入は、IT業界で技術とビジネスに変化が起き、Microsoftのドル箱商品が代替品に対して無敵ではなくなっていることを示すものだ。その傾向は、特に小規模企業と消費者の間で強くなっている。
だが、Microsoftの財源が明日から減り始めると思うのは早計だ。アナリストらの予測によると、ライバル企業がOfficeの売り上げを吸い上げようとしても、Microsoftはウェブやオープンソースに合わせて製品開発を調整し、Officeユーザーの大多数をつなぎとめるという。
Gartnerのアナリスト、Michael Silver氏は、Microsoftが最近喫した2つの敗北に言及し、「『Office Open XML』(OOXML)が標準として早期に承認されなかったMicrosoftと、欧州委員会(EC)の裁定の間に流れる川は、血で染まっていると思う」と述べた。
Microsoftは、国際標準化機構(ISO)の「早期承認手続き」の制度を利用してOOXMLフォーマットを標準化しようと試みていたが、2007年9月上旬のISOによる投票で却下された。9月17日には欧州第一審裁判所が、Microsoftの欧州におけるビジネス手法を変えかねない独占禁止法違反訴訟でECに有利な判決を下した。
Microsoftは、競合企業からの全面攻撃に備える構えを見せてきた。
Microsoftは9月12日、Officeスイートの「Ultimate Edition」を60ドルで学生に提供するプロモーションを開始した。また、Officeを補完する小規模企業向けの一連のオンラインサービス「Office Live」についても、開発を進めている(編集部注:本記事稿執筆後、Microsoftは米国時間9月30日、「Office Live Workspace」を発表している)。
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