新興国にPCをもたらす取り組みにおいて、非営利団体「One Laptop Per Child(OLPC)」は、低価格マシンを製造するために世界最大規模の委託製造会社およびコンポーネント供給業者と提携した。
一方、チップメーカーのIntelは、読者がおそらく名前を聞いたこともないナイジェリアのハードウェアメーカーZinoxのような企業と協力関係を結んでいる。
この違いは、新興国においてPCをより広範囲かつ迅速に普及させることのできるビジョンを描けているのが、どちらであるかを決定する重要なものとなり得る。OLPCによれば、製造を集約することによって、同団体の「XO」コンピュータのコストを最小限に抑えることができるという。台湾のChi Mei Optoelectronics(奇美電子)とFoxConnによるLCDの供給を受け、Quanta Computer(廣達電腦)がノートPCを製造することになる。
OLPCの創設者であり会長を務めるNicholas Negroponte氏によると、このノートPCの製造コストは今のところ150ドルだが、今後下がるはずであり、2007年は毎月約100万台が製造されることになるだろうという。また、OLPCは同団体のプログラムへの補助を各政府から得るための取り組みも行っている。
Negroponte氏は電子メールの中で「OLPCの目標は1つだ。それは、インターネットに接続したノートPCを保有する子どもの数をできるだけ増やすことだ」と述べるとともに、「Intelは子どもたちを市場と見なしているが、われわれは使命と思ってこれに取り組んでいる」と述べている。
これに対して、IntelのWorld Aheadプログラムのバイスプレジデントを務めるJohn Davies氏によれば、Intelの「Classmate PC」設計に基づいたPCのコストは、2007年において約300ドルであり、ゆくゆくは200ドル以下にまで下がるだろうという。同氏はまた、Intelのシステムは、OLPCのものと比べれば値段が高くなる可能性があるものの、販売される地域で製造されるため、その地域における雇用が促進され、顧客に対してよりよいサポートが提供できるようになり、うまくいけば現地におけるIT産業のスタート地点にもなるはずだと述べている。同氏はさらに、インフラは、多くの場所で既に存在しているとも述べている。
「パキスタンのPCは、その80%がパキスタンの企業によって組み立てられている」(Davies氏)
台湾のVia Technologies(威盛電子)のような企業はこれと同様の方針をとっている。Via Technologiesは、同社のチップを用いた安価なPCやシンクライアントを開発するために、アフリカやインドの現地製造会社および大学と協力関係を結んでいる。
Via Technologiesのマーケティング担当バイスプレジデントRichard Brown氏は、「(現地生産の)メリットとしては、現地の雇用支援と、現地のIT支援がある。製品が現地で利用できるようになった際、誰がそれを援助し、製品サポートを提供するのか?製品サポートの重要性には疑問の余地がない」と述べるとともに、「教育機関もしばしば、地元企業の製品を購入することを望む」と述べている。
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