カリフォルニア州マウンテンビュー発--ただいまの時刻は午前7時54分、私は「MashupCamp」の会場に9分遅れで到着した。
だが問題はないだろう。MashupCampでは、2日間にわたって、さまざまなアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を組み合わせてつくるカスタムアプリケーションに関するディスカッションが行われる予定だが、このイベントは一般的なカンファレンスとはまったく趣が異なる。だから、数分の遅刻くらいは何ということもない。
MicrosoftやGoogle、Yahoo、AdobeなどのIT業界大手各社の協賛で行われるこのイベントには、これらの企業の関係者も参加することから、それが一風変わったカンファレンスであるということはすぐにはわからない。つまり、ディスカッションの主なテーマがある種のアプリケーション--たとえば、Paul Rademacherが「Google Maps」と地域別賃貸不動産リストを掲載している「Craigslist」を組み合わせ作った「HousingMaps」のような、一般に向けて無料で公開されているアプリケーションだという事実を別にしても、このイベントは変わっているということが、だ。
だが、MashupCampの会場となった「Computer History Museum」に一歩足を踏み入れたとたん、いろいろな事柄が明らかになり始めた。
まず、あらかじめ決められたスケジュールがなかった。それどころか、あるいのは時間と部屋割りを示すマス目の書かれたホワイトボード1つで、しかもそれらのマス目はまったく埋まっていなかった。また、この非営利イベントには一切料金を支払わずに参加できる。参加の唯一の条件は、定員が一杯になる前に、同イベントのwikiから申し込みを行うことだった。
午前8時半頃には、300名ほどの参加予定者のほとんどが会場に姿を見せていた。そこでは、主催者の1人であるDavid Berlindが、参加者に対して、自分のつくったマッシュアップを人前で発表したい者は、みんなの前に出てプレゼンテーションをするようにと呼びかけていた。ただし、このプレゼンテーションには1つ条件があった。それは、わずか30秒の持ち時間のなかで自分のプロジェクトについて説明する、というものだった。DEMOカンファレンスも顔負けの慌ただしさだ(David Berlindは、ZDNet.comのエグゼクティブエディターで、テクノロジーとビジネスをカバーしている)
ところが、自分のマッシュアップを見せたいという人間が大勢いた。結局、40人が前方にある壇上に上がり、自分の開発したマッシュアップについて30秒以内で簡潔に紹介してみせた。
プレゼンテーションのなかには、例えばサンフランシスコの「Friends of the Urban Forest」という団体が植樹した樹木の場所を示すデータを、地図ソフトウェア上で示すためのマッシュアップを披露した企業もあった。
また、出会い系サイトが星占いを簡単に表示できるようにする計画を発表した人間もいた。
部屋割りの方法も斬新
ここまで進むと、このイベントの主催者らは、空っぽのままのスケジュールをどう調整するかという細かな点と、たっぷりと残されている時間をどう埋めるかという点とをマッシュアップする作業に取りかかった。
Berlindは従来とはまったく違うやり方で、参加者自身にイベントの主導権を手渡すことにした。。同氏は、自分でディスカッションの司会をしたいという人間を募り、やりたいことを説明させた上で、スケジュールの枠を割り振ったのだった。
そして、Computer History Museumには大小さまざまな大きさの会議室があることから、各セッションの参加人数にぴったり合う広さの部屋を割り振る必要があった。そこで、各セッションの司会者は、自分の(やりたいことの)説明の最後に参加希望者の人数を調べた。その結果、参加希望者の数に合わせて各セッションが使う部屋が決められた。
ちなみに、米国時間20日に行われた全28セッションのうち、女性が司会を務めたものは1つしかなく、また合わせて300名弱の参加者のなかで女性は15人にも満たなかった。
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