Wal-Mart Storesが高い利益をもたらす可能性のある家電製品を視野に入れている。同社では、特売の靴下を買いに来た顧客に薄型テレビも購入させたいと考えている。
ステレオ、PC、ブラウン管テレビといった従来の家電製品については、何年も前から販売している同社がいま、デジタル音楽プレイヤーや高品位テレビなど、人気の高いトレンド商品を販売する新たな取り組みに着手し、「iLo」という新しい家電ブランドを立ち上げて、家電製品の売場スペース拡大を進めている。
「Wal-Martは、毎年着実に売上を伸ばしていくのに苦労している。大幅な成長達成にまず必要なのは、特に高額商品などこれまで手をつけていなかった分野への参入だ。そして、薄型テレビもその1つだ」とThe NPD GroupアナリストのSteve Bakerは述べている。
独自の家電ブランドを立ち上げたり、数カ月前から収益性の高い分野へ重点を置き始めている大手小売業者はWal-Martだけではない。Best Buyも、テレビ、PC、ポータブルDVDプレイヤーなどの各種製品を網羅する「Insignia」という自社ブランドを今秋立ち上げている。PCメーカーのDellやGateway、Hewlett-Packard(HP)も、自社ブランドの薄型テレビや音楽プレイヤーでクリスマスシーズンに向けた家電製品市場への取り組みを行ってきている。
Wal-Martには、すでに扱っている(他社製)ブランド製品を入れ替えるつもりはなく、iLoについては低価格の選択肢として位置づけている。同社はさらに、Dellのような企業が興味を示さないDVDレコーダーなどの販売にも前向きな姿勢を見せている。
Wal-Martは、家電製品のサプライヤーとしてはかなり特別な立場にある。米国内に3000店舗以上を構える同社は、幅広い消費者層に対応することができ、またiLo製品の生産を委託することになるアジアの電子機器メーカー各社とも密接な関係を維持している。
しかし、Wal-Mart広報担当のKaren Burkeは、パナソニック、サンヨー、ソニーといった家電製品の有名ブランドを扱う同社が、iLoを利用して取り扱い製品の品揃えや価格帯の隙間を埋めることを狙っていると語る。
Bakerによると、手頃な価格の製品を用意することは同社にとってメリットになるという。最新製品を求める消費者が増え、大抵はWal-Martがそれをさらに手ごろな価格にできるためだ。
こうした取り組みを始めているにも関わらず、同社は年末商戦のスタートで出遅れてしまった。これについて、同社が積極的な価格設定を行わなかったことが原因だとアナリストらは指摘し、この失策により目玉商品の必要性が明確になっていると述べている。
Wal-MartのiLoブランド第1弾として投入された42インチのプラズマテレビは、5月に約1300店舗で販売が開始された。2000ドル以下という価格は、他店が販売するパナソニック、Samsung、Zenithなどの同サイズのEDプラズマテレビより最大1000ドルも安い設定になっている。
同様に、DVDRO4というiLoブランドDVDレコーダーは約150ドルで販売されており、ほかのブランドの同等のプレイヤーより約50〜100ドル安くなっている。80Gバイトのハードディスクが搭載されたDVDRHO4という別のDVDレコーダーは約280ドルで、Wal-Martのウェブサイトに掲載されている東芝の同等モデルより約90ドル安い。一方で、256MバイトのメモリとFMラジオチューナーを搭載するiLoミュージックプレイヤーは約80ドルとなっており、ほかの同タイプの製品よりも約30〜60ドル安くなっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス