カリフォルニア州サンタモニカ発--映像 共有サイトは儲かるらしい。しかし、その利益はどのように共有されているのだろうか。
「まだまだ、これからだ」。強い自信を見せるのは、映像共有サイトRevver.comの最高経営責任者(CEO)、Steven Starr氏だ。かつてはタレントビジネスの世界に身を置き、Bob Marleyを敬愛する Starr氏は、共同創設者として2005年に同サイトを立ち上げた。
10月9日のニュースは、アーティストがいかに搾取されているかを示す最も良い例だとStarr氏は言う。そう、16億5000万ドルでのYouTube買収だ。ここで、YouTubeをここまで有名にしたコンテンツ制作者には1ドルも支払われていない。何億ドルにも上るだろう金額を手にしたのはYouTubeの創設者だけである。しかし、制作者にも利益を提供するのがStarr氏のやり方だ。
人気ビデオクリップの広告収入を映像制作者と分け合うRevverの手法は、急成長する映像共有業界を今大きく揺り動かしている。アマチュアの制作者が投稿する手作りの映像で成り立っているこの業界では、売却されてしまったYouTubeに代わる新星の登場が待ち望まれている。現時点で、有力な後続企業はまだわからない。しかし、Yankee GroupのアナリストJosh Martin氏は次のように述べる。「高いアクセスを集める映像の制作者に報酬を支払うことは、『この業界の向かう先』だ」
実際、Revverの映像制作者に対する投資は実を結びつつあるようだ。Revverのサイトが本格運用を迎えてからわずか1カ月で、同社はYouTubeで最も人気が高い一部の映像制作者を引き込むことに成功している。たとえば、「Lonelygirl15」の制作スタッフだ。
「かつてYouTubeだけだったクリエイターが今はYouTubeとRevverの両方に投稿している。この状況は実に面白い」と、Lonelygirl15の共同制作者の1人Miles Beckett氏は語る。
厳格な両親と暮らす16歳の可愛い少女が主人公のこのビデオシリーズは、この春何百万というYouTubeファンの心を捉えた。ところが最近、これらがすべてやらせだったことが明らかになった。このLonelygirl15をめぐる騒動は、New York TimesやCNNといった大手メディアにまで取り上げられた。
この結果、Jessica Roseという19歳の女優が演じたLonelygirl15の注目度はさらに高まった。Lonelygirl15は毎日のようにYouTubeとRevverサイトの人気ランキングに掲載されている。Revverに移行するということは、俳優とプロデューサーからなる小さなチームにもお金が入り始めることを意味する。
「人気のあるユーザー生成サイトのほとんどが、コンテンツ制作者に報酬を支払わなければいずれ彼らが離れていってしまうことに気付き始めている」(Beckett氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」