今から13年前、Jerry Yang氏はスタンフォード大学で電気工学の博士号を取ろうとしていた。彼が学友のDavid Filo氏と「Jerry Yang's Guide to the World Wide Web」を立ち上げたのはこの時期である。
大学を卒業した2人はこの小さなプロジェクトを「Yahoo」という名前の会社に変え、その後、決して後ろを振り返ることはなかった。
Yang氏は米国時間6月18日に、それまで最高経営責任者(CEO)を務めたTerry Semel氏に代わってYahooのCEOに就任した。Semel氏は非常勤の会長に退き、マネジメントチームや取締役会へのアドバイザ−として活動する。
Yang氏はYahooがまだ小さかった頃に経営に携わってはいたが、Semel氏のような経営手腕やビジネスセンスはない。検索市場における地位と、利益に直結する点でより重要な検索エンジン広告の基盤をGoogleから奪還しようと躍起になっている会社の最高職位に、はたしてYang氏は相応しい人物なのだろうか。
アナリストやYahooの元社員などは、「新しく社長に就任したSue Decker氏とともに舵取りした場合は」と条件を付けて肯定的な見方をする。また、Decker氏が経営を掌握するようになるまでの一時的な措置にすぎないと推測する人もいる。
「Sue Decker氏が社長というのはYang氏にとっては非常に心強い」と語るのはForrester Researchのアナリスト、Charlene Li氏である。「Yang氏にとっての不安材料は複雑な大企業の舵取りをした経験がないことだが、これについてはSemel氏が道筋をつけた。そして彼らに今必要なのはビジョンであり、その点ではYang氏はまさに適任といえる」と言う。
そして次のように付け加えた。「何かをやらなければならなかった。とにかく現時点では『Semel氏以外の誰か』というスタンスだった」
Sterling Market Intelligenceの代表コンサルタントであるGreg Sterling氏は、Yang氏が今回CEOに就任したのは一時的な措置であり、準備が整ったところでDecker氏が長期的な運営をまかされるのではないかと推測する。
「Yang氏は名前を知られている。市場を安心させようという意図もあるのでは」と語り、「おそらく暫定CEOということでは。ロックスターを引っ張り込めば企業力学さえも変えられる、最終的な目標であるDecker体制に向けて時間を稼げるという判断だったのだろう」と続けた。
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