LINEはコミュニケーションのインフラと化している。そのLINEを使って、さまざまな詐欺が行われていることをご存知だろうか。パターンはいくつかあり、無料で有料スタンプやコインをプレゼントするとうたったり、知らない人からメッセージがきて外部サイトに誘導されたりするものがある。
大人なら疑うようなことも、小中高生などは簡単に騙されてしまっている。このような詐欺の仕組みと防ぎ方、詐欺によるリスクについて考えていこう。
よく見かけるのが、LINEの有料スタンプやコインをプレゼントするとうたう詐欺だ。コインとは、スタンプなどを購入できるLINE内のデジタル通貨で、現時点で100コインにつき240円相当だ。
コインプレゼントをうたうアカウントがあるが、実は現時点で他のユーザーにコインをプレゼントすることはできないので、まったくの詐欺だ。
また、「不具合のお詫びに1000コインプレゼント」などと、LINE公式アカウントに見せかけた受け取り専用アカウントが出まわることもある。一見公式アカウントに見えるので騙される人が後を絶たないが、実際はただの詐欺アカウントだ。
公式アカウントかどうかを見分けるポイントは、アカウントの前にある星マークの色でわかる。LINE公式アカウントや企業の公式アカウントの場合は、星マークは緑色だ。 灰色の場合はLINE公式アカウントではないので、参考にしてほしい。(なお、他の企業公式アカウントも星マークが緑色となり、企業のLINE@アカウントは星マークが灰色となる)。
Twitterで「LINE スタンプ プレゼント」などで検索すると、実に多くのアカウントが見つかる。フォロワーを数千人抱えたものも多い。
そのようなアカウントを見ると、「ほんとにもらえました。ありがとうございました!」などのLINEの画面キャプチャ付きのツイートがリツイートされていることもある。くれると言いながらくれないデマ系もあるが、中には実際にスタンプをくれるものもあるのだ。
有料のスタンプをプレゼントする詐欺とはどのような仕組みなのだろうか。このようなアカウントとLINEで友達になると、まず複数の友だちにそのアカウントをお勧めするように言われる。言われるがままに10代の子たちは、「ヤバい、ほんとにもらえた!URL」とタイムラインに投稿したり、トークで送ったりしているが、この時点ではまだ何ももらっていない。
この後、いくつかの作業を依頼される。
などが代表的な作業だ。出会い系サイト登録のために、無料の使い捨てメールアドレスの作成法まで教えているところもある。
実は作業依頼のURLをよく見ると、アフィリエイトサービスのものであることがわかる。つまり、10代の子たちが作業をすると、そのアカウントにアフィリエイト収入が入るのだ。アフィリエイト収入は数千円となるので、有料スタンプは作業の対価として受け取っているというわけだ。
実際にもらっているとタイムラインに投稿していた中学生にこの仕組を教えたところ、「でも、もらえたらからいいんじゃない?詐欺じゃないでしょ」と答えていた。確かにスタンプをもらえているため彼らは損はしていないように思えるかもしれない。
しかし、業者を友達にしていることにはリスクがある。LINEで友達になると通話やトークが可能になる上、制限しなければタイムラインなどの投稿が見られてしまうため、個人情報流出の危険性もある。その上、わずかな謝礼のために自分の友だちもそのリスクに巻き込んでしまっていることは忘れてはならないだろう。
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