新しい時代を迎えた企業のグローバル化におけるIT活用はどうあるべきなのか--。この問題について主要IT系メディアの代表4人が一堂に会し、意見を交わす討論会が行われた。
左から着席順に
朝日インタラクティブ CNET Japan編集長/別井 貴志
アスキー・メディアワークス TECH.ASCII.jp編集長/大谷 イビサ氏
ITR シニア・アナリスト/舘野 真人氏
アイティメディア ITインダストリー事業部
エグゼクティブプロデューサー/浅井 英二氏
日経BP コンピュータ・ネットワーク局ネット事業プロデューサー兼 日経コンピュータ編集プロデューサー/星野 友彦氏
まず、モデレーターのITR シニア・アナリスト舘野真人氏から今回の討論会開催の意図について次のような意見が出された。
「企業のグローバル化は着実に進んでいる。そしてIT部門にとってもグローバル化は大きな課題となっている。しかし、何が具体的に課題となっているのかが整理されていなかったように思う。企業のグローバル化にとってICTが果たす役割の大きさを今一度再確認してみたい」
企業のグローバル化はこれまでも着々と進行してきた。しかし、80年代、90年代、2000年代を経過するにつれ、グローバル化の中身は大きく変容してきている。進出する先の海外の国々の状況も日々刻々と変りつつある。その中でIT部門の果たす役割も同様に内容が変化してきているので、なかなかとらえどころをつかめない印象があった。
しかし、日本にとって、大きな出来事が起こった。東日本大震災である。企業が海外に進出する際のICTの役割を考える上で、東日本大震災発生以降に起こった企業への影響は重要なヒントになる、舘野氏はそんな問題提起を出席者に示した。
これに対し、日経BP コンピュータ・ネットワーク局ネット事業プロデューサー 兼 日経コンピュータ編集プロデューサーの星野友彦氏は、日経コンピュータ誌で独自に組織化しているモニターアンケートの結果ではBCP、ディザスタリカバリに関する投資優先度が向上していることを示した上で次のように話した。
「東北のあれだけ広域な場所で被害があったわけです。サプライチェーンも寸断され、電力供給さえ心配になるほどの災害を企業は想定していなかった。やはり、サプライチェーンをどうするか、マーケットをどう再構築するかという、面での対応ともいうべきBCP、ディザスタリカバリが必要だと分かったわけですね。そのためには、ICTの側面でどういう投資をしなくてはならないか。これが各企業のCIOの方たちが突きつけられている課題だ」
これに対して舘野氏もITRの調査でBCPを作成していた企業のうち予定通りに機能した企業は2%程度だったと話し、災害時に対応することの難しさを強調する。
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