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実践で効く成長企業の組織マネジメント術

2005/12/22 18:59
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 事業が波に乗り、企業が成長していく中でクリアすべき問題として現れるのが、「組織はどうあるべきか」ということだ。New Industry Leaders Summit 2005 Autumnのセッション「成長企業の組織マネジメント」では、オールアバウトの代表取締役社長兼CEO 江幡哲也 氏と、ゴルフダイジェスト・オンライン 代表取締役 兼 最高経営責任者である石坂信也 氏をスピーカーに招き、組織開発や経営体制、企業文化、モチベーション維持についての意見交換が繰り広げられた。IPO(株式の新規公開・上場)を果たした両社は、組織と人材をどう成長させてきたのだろうか。

黙っていても士気は高まらない

 約350名のガイド(ジャンル毎の専門家)ネットワークを持ち、集積型のメディアを作り上げているオールアバウトのビジョンは、「こだわり消費でナンバーワンになる」ということだ。メディアとしてのメッセージや質感、読者からの信頼とこだわりを大切にする。広告事業でメディアを作る体制が整ったため、ECサイト「All About スタイルストア」をはじめとする別の軸へも展開を開始した。

 オールアバウトは2005年9月に株式を新規上場したが、社員1人1人にオーナーシップを持たせるというポリシーは上場前と変わらない。半年に1度は社員のモチベーションを調査し、3カ月に1度は決算の内容からキャッシュフローまでの情報を開示する。そして、ストックオプションやプロジェクト制度(現行のミッション以外にもやりたい仕事に責任を持ち、遂行できる機会)なども導入している。

 一方で、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)の新規上場は2004年4月だ。ゴルフ用品のEコマースのほか、ゴルフ場の予約ビジネス、ゴルフ旅行の比較検索ビジネス、コンテンツ作成をはじめとするメディアビジネス、コミュニティの運営などを手がける。現在「ゴルフ」というテーマを強調しているため、今後はゴルフ以外の分野もチャレンジしていくことを社内外にどうアピールしていくかを課題としている。上場後はコーポレート組織を作り、2005年後半には従来の執行役会を廃止し、企業の上層部をスリムにした。

 セッションではまず、社員のモチベーションの維持やコミュニケーション頻度などについて意見が交わされた。オールアバウトは、経営や広告、営業、編集といった部門ごとの縦割りではなく、他部門のことも理解するためにクロス会議をしている。これにより、社員のモチベーションを高めて仕事のおもしろみを演出する考えだ。

 また、3カ月に1度はキックオフミーティングをしており、「社員が選ぶMVP」をはじめとする表彰制度も設けている。表彰式でスポットをあてているのは業務内容だけではなく、表彰された人のパーソナリティも見る。社員同士が互いのパーソナリティをよく知り合うことで、コミュニケーション基盤と企業文化を創り上げていく。

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活発にコミュニケーションできるように工夫を凝らすGDOの石坂氏

 石坂氏は、GDOが企業として成長し、組織が大きくなるのに比例して、「組織変更や人事決定における際のコミュニケーション不足が社員のストレスやテンションに大きく影響するのを目の当たりにした」と言う。その例として、「人事について本人には辞令で通知して終わり……ということはありがちなことだ。会社側は議論をつくしているので納得しているが、その内容を伝えることを忘れてしまう。説明を怠ると勝手に解釈され、誤解を招いたり、意図と反する効果を生んだりしてしまう」と話した。

 そうしたことが起きないように、GDOでは社内に「コミュニケーション室」を設けて、社内でのコミュニケーションを強化している。現在は会社全体での会議を月に1度、中間管理職を集めたミーティングを週に1度開いて、その議事録を全社員に配布する。社長からのメッセージもメールで月に1度配信する。

 表彰制度においては該当者数を増やしたほか、2005年は社員全員の研修として、ゴルフトーナメントの運営に携わる機会を与えた。デスクワークがメインの人材でも現場でのリアリティを体験させるためだ。プロゴルフプレーヤーとも接する機会を与えたことで、プレーヤーの接客をはじめとして運営に必要なチームワークをも養う。

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