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ターニングポイントを迎えるモバイルサービスの決め手

2005/12/14 13:15
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 複数企業による通信キャリア事業への新規参入や、2006年より開始が予定されるナンバーポータビリティなど、国内における携帯電話を取り巻く状況は急激に変わりつつある。そうした中、コンテンツを始めとするモバイルサービスや市場は今後どう変化していくのか。

 「New Industry Leaders Summit 2005 Autumn」(NILS)のセッション「モバイル・サービスの今後の展望」では、モバイルメディアやコンテンツ、ソリューションなどを提供するシーエー・モバイル 代表取締役社長 外川 穣氏、携帯電話用のフルブラウザ「jigブラウザ」を開発して提供しているjig.jp 代表取締役社長 福野泰介氏、世界各国の携帯電話キャリアへ位置情報のトラッキングをはじめとする各種ソリューションを提供するWaveMarketのChief Executive Officer ロウメリオティス・タッソー氏を迎え、活発な意見が交換された。

来るべきモバイルサービスのかたち

 シーエー・モバイルの外川氏は、広告や課金コンテンツ、モバイルのゲートウェイの3点について、携帯電話ビジネスが新たなフェーズへ移行しているのを肌で感じているという。同社の検索連動型広告(リスティング広告)機能である「KEITAI Premium Search」が2005年4月より毎月1000万円のペースで売り上げを伸ばし、携帯電話向けブログ検索広告サービス「KEIAI Blog Click」のユーザー数も増加。外川氏はPCのメール広告が検索エンジンマーケティングに押される一方、モバイルは安定していることを取り上げ、「モバイルにおける今後のトレンドは飲食店などリアル店舗との連動型メディアを作っていくことだ」と語った。

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「リアル店舗との連動が重要だ」とシーエー・モバイルの外川氏

 課金コンテンツは、携帯電話端末の高性能化に伴い、着うたフルや着ムービー、ゲームコンテンツなどのリッチコンテンツの人気に火が点いた。しかし、コンテンツの増加(NTTドコモのiモードでは、2001年3月は約1700サイト、2005年9月には約5000サイト)により、ユーザーは利用したいコンテンツを選びにくいという現象が起きている。「キャリアの公式メニューに表示されたらユーザー数が増える」と言われてきたスキームは崩壊しつつあり、コンテンツプロバイダーは公式メニュー以外からユーザーを流入させる必要に迫られている。

 また、他コンテンツとの差別化と会員数を増やす大きな要因として、外川氏はインターフェースの重要性を挙げた。「画面の整理やコンテンツ制作のノウハウのあるアグリゲーターと組んでいくべきだ」との見解を示した上で、非公式サイトからの会員流入導線を確保すべく、より積極的なプロモーションが必要になるという。

 モバイルゲートウェイに関しては、キャリアの新規参入とナンバーポータビリティに触れ、「キャリアの移動をちゅうちょなくできることで、コンテンツを利用しなくても契約したままで月額課金されていく休眠有料ユーザーによるコンテンツ契約の解除が活発になるのではないか」と予測した。コンテンツプロバイダーに必要なのは、ユーザーが解約しない魅力的なコンテンツと解約会員に対する積極的な再プロモーション、キャリア移動後もユーザーが同じコンテンツを選べる環境整備が重要と見ている。

 さらに、URLを直接打ち込むことでサイトへ接続するユーザーが増加していることから、通信キャリアに依存せず、気に入ったポータルサイトを利用するだろうと予測。これは通信キャリアとPCインターネットが入り乱れたポータルサイトの自由競争時代への突入であり、逆に言えばPCインターネットで盛んなビジネスをモバイルで利用する価値があるのではないかという見方も示した。

 jig.jpの福野氏は、フルブラウザの登場によりPCサイトも携帯電話端末で見られることのメリットを強調する。福野氏がフルブラウザに注目したのは、携帯電話用のサイトを用意している企業のサイトがわずか5.5%しか存在しないという調査結果を目の当たりにしたからだった。例えばYahoo! で検索してもそれは顕著で、「宮崎」と検索するとPC用のサイトでは約5310万件がヒットするのに対し、Yahoo! モバイルでは約2万件しかヒットしない。

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「コンテンツの増加と共に携帯電話サイトに見向きもしなかったユーザーも増加」とjig.jpの福野氏

 フルブラウザを提供するサービスが実現した背景として挙げたのは、(1)パケット定額制の開始、(2)携帯電話端末の高性能化、(3)液晶技術の向上、(4)通信速度の向上の4点を挙げた。携帯電話用のサイトには見向きもしなかったユーザーは、「PC用サイトが利用できるなら」とフルブラウザを利用し、これにより携帯電話コンテンツ市場も活性化するだろうと見る。パケット定額制によりコンテンツのアクセスにちゅうちょしなくなることから、今後は動画の閲覧やツールを利用するニーズが高まると予想されるため、携帯電話用のコンテンツも見直しを迫られるとの考えだ。

 jig.jpは2005年9月末、プラグインにより機能を拡張できるフルブラウザ「jigブラウザ 2β」の提供を開始した。ブラウザとの連携により、PCにおけるAJAXやFlash技術を利用したサービスを提供するプラットフォームを携帯電話端末でも実現できる。HTMLへ対応させることでCHTMLでは不十分だった点を補える上、サービス開発の敷居も下がる。コンテンツの増加と共に利用者も増え、市場も拡大する──というのが福野氏の見解だ。

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