Appleが発表したiPhone 6とiPhone 6 Plusは、「iPhoneとして最大のディスプレイ」を備えた点が最も大きな変化だ。iPhone 6は4.7インチ、iPhone 6 Plusは5.5インチで、後者はフルHDの解像度である1920×1080ピクセル(401ppi)を備えるようになった。
筆者は、iPhone 6とiPhone 6 Plusは、再び、スマートフォンのゴールドスタンダードになると考えている。その理由を、以下の3つにまとめてみた。
iPhoneを初代から使っており、画面サイズが大きくなることは、昨今のビデオ視聴やウェブサイト閲覧など、iPhoneのディスプレイを最も長く見ている生活を送っている筆者にとって、非常に歓迎できることだ。しかし、この点は「iPhoneユーザー」が井の中の蛙であることの裏返しでもある。
2014年はじめに、低価格で購入できるMotorola MobiltyのAndroidスマートフォン、Moto Gを手に入れた。普段利用しているアプリを十分高速に動作させるデュアルコアのプロセッサと4.5インチのやや発色が良すぎるほどの1280×720ピクセルHDディスプレイを搭載し、SIMロックフリーでかつ179ドルだった。
メインで使っている649ドルのiPhone 5sと比較して、カメラ以外全く不満はなく、かつ画面が大きかったのだ。
今回登場したiPhone 6は、4.7インチと5.5インチになった。少なくとも、廉価版のAndroidスマートフォンと同等の画面サイズを達成し、またAndroidスマートフォンの独壇場となっていたファブレット(スマートフォン+タブレット)のカテゴリに対してきちんとiPhoneとして答えを出した。
iPhoneとして、マイナス要素をイーブンに戻せた点は、評価できる。しかし、実際にiPhone 6、iPhone 6 Plusのディスプレイを見ると、ただサイズが大きくなっただけではなかったことが分かった。
タッチアンドトライでiPhone 6を見て、「なんだ、モックアップか」と見間違えてしまったのだ。というのも、モックアップは本物のディスプレイではなく、てかてかして発色の良いステッカーが貼られていることが多い。置かれていたiPhone 6は、角度が付いたところからディスプレイを見ても、色と明るさが変わらなかったのだ。
薄型化され独特の見栄えを誇るディスプレイのおかげで、本体も大幅に薄くなった。7.6mmのiPhone 5sに対し、iPhone 6は6.9mm、iPhone 6 Plusも7.1mmとなった。しっかりと角があるiPhone 5sと比較すると、数字以上に薄く見えるのは、iPhone 6の側面が緩やかにカーブし、丸みを帯びているからだ。
これによって、ディスプレイ側と背面側に向かって影が落ち、より薄く見える。ちょうど、MacBook AirでもiMacでも、同じように丸みを使って、筐体をスペック以上に薄く見せる工夫が施されているが、元々薄いiPhone 6でこの手法を使うと、想像以上に効果がある。
この工夫はただ薄く見せるだけではない。ディスプレイが大きくなると、大抵の場合、持ちにくくなってしまう。筆者は手が小さい方で、前述の4.5インチのMoto Gは、長時間握っていると疲れてしまうし、iPhone 5sの2つのエッジは手に少し痛みを覚える。
しかしiPhone 6は、全くエッジを感じさせず、滑らかに丸みを帯びた側面であり、サイズが大きくなっても握り心地はiPhone 5sより良くなっていた。ただ薄くするだけでなく、われわれがスマートフォンを日々どのように握っているかに基づいたデザインになっている。
iPhone 6は、iPhone史上最も大きいだけでなく、最も握り心地の良いiPhoneになった。
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