Microsoftは、コントローラーなしでゲームを操作する仕組みであるKinectを発表した。Kinectは北米で米国時間11月4日に発売される予定だ。この技術がビジネス界に入ってくる可能性はあるだろうか。入ってきた場合、どのように使われるだろうか。
このKinectの技術は、タッチパッドやジョイスティック、棒形コントローラーの代わりに、身振り手振りでゲームをプレーできるようにするもので、Microsoftの新製品の中でもっとも重要なものの1つだと言われている。
Mary Jo Foley氏は、記事の中でジェスチャーを使ったビジネスアプリケーションについて検討しているが、実際にどう利用されるかはよく分かっていない。この記事ではこれを念頭に、6つの可能性を挙げてみたい。
オーバーアクションによるPowerPointプレゼンテーション。どうすれば、PowerPointのスライドをもっと面白くできるだろうか。例えば、「ベストキッド」の「ワックスぬる、ワックスふく」のアクションはどうだろう。楽しいジェスチャーで、スライドショーを進めるところを想像してみて欲しい。読者が例えば体操選手のようにたくましいタイプなら、プレゼンテーションを進めるのにあらゆる楽しいアクションを取れるに違いない。もちろん、その仕草が美しいスライドから注意を逸らしてしまう可能性もあるが、どのみちわれわれの多くは、もともと注意を払っていないのだ。
遠隔会議。より直感的なビデオ会議、テレプレゼンスが可能になるだろう。Microsoftの説明では、Video Kinectはより直感的なものになるとのことで、ユーザーの動きを追跡することができ、自動的に画面の位置が調整されると述べている。つまり、参加者はカメラのフレームから外れることなく、自由に動き回ることもできるということだ。Microsoftはおそらく、この機能をある時点でOfficeに組み込むのではないだろうか。
業種別の利用。医療業界では、何枚ものレントゲン写真を身振り手振りでめくりながら眺める医者の姿が想像できる。タッチ式でも同様のアプローチはできるだろうが、Kinect技術を使えばタブレット端末を持ち運ぶ必要もない。
従業員のトレーニング。工場では(そして他にもチェンジマネジメントが重要な環境ではどこでも)、Kinectを特定の作業のシミュレーションに使うことができるだろう。例えば、原子炉の操作や組み立てラインなど、あらゆる場面が想定できる。
創造的な業界でのモデリング。建築家はKinectを使って仮想モデルを組み立てたり、それを手で操作したりできるだろう。
セキュリティの強化。Xbox Kinectは、ユーザーとユーザーの身振りを認識するとされている。この技術をラップトップPCやデスクトップPCで利用すれば、セキュリティ上も恩恵を得られるだろう。Kinectを使えば、パスワードをなくすことができるかも知れない。ただ、これには1つ欠点がある。ユーザーが目の周りにあざを作ったり、ラグビーで腕を骨折したりすると、前者の場合は顔が変わってしまっているという理由で、後者の場合はジェスチャーに使えるのが腕1本になってしまうという理由で、PCがユーザーを認識してくれなくなる可能性がある。
おそらく、われわれが思いつかなかった利用場面が他にもあるだろうが、とにかくMicrosoftがKinectを企業向け戦略に組み込んできても、驚くべきことではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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