Appleが、旧来のテクノロジを使用した廉価版の「iPhone」を発売しようとしているといううわさが出回っている。しかし、Appleは「Android」機器に対抗するために低価格化競争に参入する必要が本当にあるのだろうか?
iPhoneに関しては、小型版や大型版、廉価版といったさまざまなうわさが出回ってきている。
時期的なものなのか、そういう年なのか、それともニュースらしいニュースがないせいなのか、筆者には分からないものの、このところiPhone関連のうわさで持ちきりとなっている。筆者は、4インチディスプレイを搭載した「iPhone 5」が発売されたことで、より小さな、あるいはより大きなiPhoneについての議論には答えが出されたと考えているものの、Appleがより安価なiPhoneを発売しようとしているといううわさには興味深いものを感じている。しかし、Appleがより安価なiPhoneを開発したとして、今までのような大きな利幅を維持していくことはできるのだろうか?
Appleがより安価なiPhoneを開発しているといううわさの出所は、報道の正確さについて昔から疑問符の付けられているDigiTimesというサイトであったものの、今回はサプライチェーンからのちゃんとした情報に基づいているようだ。また、このうわさは後に、The Wall Street Journal(WSJ)でも採り上げられたため、信ぴょう性が増していた。
WSJは「概要を知っている人々」からの情報をもとに、Appleがアルミニウムではなくポリカーボネートプラスチックのボディを採用したより安価なiPhoneを製造する可能性について示唆している。
これは本当にあり得る話なのだろうか?この疑問に答えるために、サードパーティーが作成した「iOS」デバイスの部品構成表(BOM)に目を通してみることにしたい。では手始めにiPhone 5を見てみることにしよう。
技術調査企業のIHSによると、通信キャリアとの契約に縛られないiPhone 5は649ドルとなっており、Appleの製造コストは207ドルとなっている。また同BOMに基づくと、アルミニウムボディのコストは「機械/電気機械」というカテゴリに分類され、その合計は33ドルとなっている。ここにはボディだけでなく、ケーブルや付属コンポーネント、スイッチ、ボタンといったものも含まれているという点を考えると、ボディ自体のコストはさほど高くないと言えるはずだ。
このため、アルミニウムをポリカーボネートに変更しても、部品自体の価格差はほとんど出てこないため、全体価格の大きな引き下げにはつながらないことになる。ただ、AppleはiPhoneの付属品から充電器を除外し、USB経由で充電を行うようにすることでもっとコストを下げられるかもしれない。
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