「ネット黄金時代」を脅かす10の懸念(後編)

Alan Norton (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎2012年02月23日 07時45分

(編集部注:この米CNETによる「『ネット黄金時代』を脅かす10の懸念」の記事は、前編と後編の2回に分けて公開されています。前編は2012年2月21日公開の「『ネット黄金時代』を脅かす10の懸念(前編)」です)

#6:インターネット通貨

 誰もが、インターネット上の製品やサービスに対する支払いに利用できるインターネット「通貨」を持つ、インターネットアカウントを持っていたらどうなるだろうか。ウェブサイトは、動画の視聴や記事の閲覧、ファイルのダウンロードに、それらの通貨を要求するようになるかも知れない。こちらで、0.005ポイント、あちらで0.100ポイントと払わされるのは、あまり高額には感じないかも知れないが、何百ページも見ているうちに、合計額は急速に大きくなる。一般的なインターネット利用者にとっては幸運なことに、こういった金の払わせ方はまだ実装されていない。しかし、Google WalletPayPalのようなサービスが、ウェブの世界を支配するモデルになりたがっているのは確実だろう。これは諸刃の剣だ。一部の問題を解決してくれる可能性があるが、新しい問題を生む可能性もある。

#7:会費制収益モデル

 読者の中には、ドットコム不況が起きて数年後、ウェブサイトの広告に基づく収益モデルが会費制収益モデルに脅かされた時期のことを覚えている人もいるだろう。評論家は、これが将来大勢を占めるようになるだろうと論じた。それは起こらなかった。我々のような無償であることが大切だと信じている人々にとっては幸運なことに、この概念は無料コンテンツと有料コンテンツへと変化した。広告に基づく収益モデルも依然として健在だ。そして、自由な市場競争と数多くの選択肢が存在する限り、多くのウェブサイトでこのモデルは存続するだろう。しかし、この脅威はまだ陰でくすぶっている。評論家は依然として、会費制収益モデルが主流になると言い続けているのだ。今後数年間でコンテンツプロバイダーがこのモデルを試そうとしても、驚くことではない。特に、ストリーミングデジタルコンテンツについてはその可能性が高い。

#8:Skypeのような無償サービスの終了

 70年代の最中にいる誰かに、いずれ世界中の誰とでも無料で話せる日がくると話しても、頭がおかしいと思われたはずだ。インターネットに接続できるデバイス、高速なインターネット回線、そしてウェブカメラがあれば、他の大陸に住んでいる人ともリアルタイムで話せるばかりか、相手の生の映像を見たり、インスタントメッセージを送ることまでできる。情報通信の分野で次に起こる最大の革命は、AT&TのPicturephoneだと言われていたことを覚えている人もいるかもしれない(訳注:Picturephoneは米国で70年に始まったサービスで、通話とともに数秒に1枚映像を送ることができた)。それは起こらなかった。しかしその概念は、現在でもSkypeや類似のサービスの中に生きている。現在は、他のメンバーにオンラインで連絡を取る基本サービスは無料だが、MicrosoftのSkype買収は、近い将来にそれが変わることを意味しているのかも知れない。

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