インターネットが世の中の主流になり、現代生活をさまざまな形で変革し始めてから、15年が過ぎた。インターネットが変えた生活の形には、情報の探し方から、他の人とのコミュニケーションの仕方、ニュースを消費する方法、本や音楽の買い方、そして自分に合った人生のパートナーの見つけ方まで、多岐にわたる。その過程で、インターネットは産業全体を完全にひっくり返し、これまでの陰の実力者の多くを葬り去ったり数を減らしたりし、仲介者を取り除き、新たなリーダーたちを登場させた。21世紀のデジタルな力の源泉だ。
それでも、忘れがちではあるが、広い観点から見れば、われわれはまだインターネットという試合の2イニング目か3イニング目にいるに過ぎない。これから起ころうとしている変化も数多くある。インターネットが新聞、雑誌、音楽の販売、本の販売に劇的な変化を起こしたのと同じように、今は影響は少ないが、いずれ嵐の目に巻き込まれる運命にある業界がいくつもある。この記事では、そのうち4つを紹介しよう。
映画業界はこの10年間、大画面テレビセットの価格が下がり、HD映画によって自宅での体験が小さな映画館に近いものになってくるにつれて、強い圧力を受けてきた。しかし、映画業界は前にもこれと同じことをくぐり抜けてきた。過去に起こったテレビ、ビデオ、DVDの到来は、どれも映画館を無くしてしまうと予想されてきたが、次の2つの理由から実際にはそうならなかった。1)映画を見に行くというのは、人々が目的を持って家の外に出る体験の1つであり、2)人気のある映画の多くは、ペイパービューやDVDやBD、有料チャンネルなどよりも、何カ月も前に映画館で上映されるからだ。特に後者は、映画が未だにこれほど強いビジネスである大きな理由になっている。要はコンテンツの流通をコントロールできるかどうかに掛かっているわけだ。
しかしこれは、まもなく変わる可能性が高い。ハリウッドは映画館での封切りと同時に、映画を自宅の消費者に(インターネット越しのストリーミングで)直接販売するというアイデアを実験中だ。もちろん、映画スタジオは映画館に行くよりも高い値段を取るだろう(30ドル程度の可能性がある)。しかし、多くの家族は今でも映画に行くのに50ドル以上払っているわけで、時間を節約して快適な自宅で映画を見たいという人はいると思われることから、直接配信には確実に消費者の需要がある。30ドルは高すぎるかもしれないが、これはいずれ起こることであり、映画館に足を運ばずに、家で映画を見る人が増える結果になる可能性が高い。映画館は無くならないだろうが、その数は減り、今後はより高級な体験になると思われる。
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