ソニーからノイズキャンセリングヘッドホン(以下NCヘッドホン)の新製品が登場した。「MDR-NC300D」はインナーイヤー型としては初のデジタル式NC機能を搭載。従来のアナログNC方式に比べ、優れた静粛性を備えながら高音質での音楽再生を実現した。
NCヘッドホンとは、電車や飛行機などの周囲の雑音をマイクで拾い、それに対して逆位相の音を生成して、雑音を打ち消すヘッドホンだ。エンジン音や空調音がストレスになる飛行機の機内などで使えば、耳触りなノイズを大幅に軽減できる。ノイズを打ち消すことで、音楽のボリュームを上げずに済むので、耳への負担を軽くできるというメリットもある。
NCヘッドホンはアナログ方式が主流だが、ソニーは2008年にオーバーヘッドバンド型の「MDR-NC500D」で、デジタル方式を完成させた。デジタル方式はアナログ方式に比べ、緻密なノイズ解析をすることで、より高い静粛性を得られるのがメリットだ。ソニーの調査によるとMDR-NC300Dでは、約98.4%ものノイズをカットできるという。
本体はヘッドホン部と各種回路、バッテリが収まるユニット部から構成されている。このユニットのなかには、DNC(デジタル・ノイズ・キャンセル)回路だけでなく、フルデジタルアンプのS-Masterまでを搭載している。バッテリは単3形乾電池1本で、アルカリ乾電池を使用すれば約20時間の再生が可能だ。
イヤホン部には16mmの大口径ドライバを搭載。同社の高音質ヘッドホン「MDR-EX700」シリーズでも16mmのドライバは使用されているが、新設計となる。
イヤホン部のレイアウトはドライバが外耳道(耳穴)に対して垂直配置するバーティカルのイン・ザ・イヤー方式を採用。周囲のノイズを拾うマイクはヘッドホンのサイズに比べて大きめで、NCヘッドホンということを主張している。
インナーイヤー型のNCヘッドホンで重要なのがヘッドホンの耳当てに相当するイヤーピースだ。本機には中心部と外周部に異なる素材を採用する、ハイブリッドタイプのイヤーピースが付属する。異なる素材を使用することで、イヤーピースの脱落を防ぎ、ほどよいフィット感を両立させた。
このイヤーピースのサイズが合っていないと、いくらNC機能を利用しても、ノイズが消えずに効果が半減する。またイヤホン部が大きいので、しっかりと固定できないと、耳から外れたり、きつくて痛みを感じる場合がある。本機では「外耳道の径」、「外耳道の深さ」に合わせて7種類のイヤーピースが付属するので、ユーザーはこれを使って、ジャストフィットのイヤーピースから選んで装着できる。
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