ノイズキャンセリング・ヘッドホンは、いまや完全に市民権を得ている。例えば、飛行機の中で周囲を見回すと、あるメーカーのヘッドホンを着けている人が何人もいることに気づくだろう。
それが、ボーズが誇るQuietComfortシリーズ。圧倒的な人気を誇るノイズキャンセリング・ヘッドホンだ。QuietComfort2が発売されてから約5年、QuietComfort3が発売されてから約1年半が経つが、いまだにノイズキャンセリング・ヘッドホンの最高峰として広く認知されている。
ボーズのノイズキャンセリング技術の歴史は古い。今から30年も前に、ボーズ社の創始者であるDr.ボーズがヨーロッパからアメリカへと帰る飛行機の中で、ノイズキャンセリング技術の基本コンセプトと、数学的な根拠を導き出したときからスタートしている。
以降、永年の研究開発をへて、アメリカ空軍やF1レースのピットクルーなどに使用され、1989年には、航空機用アクティブ・ノイズキャンセリング・ヘッドセットを市販した。1999年には、アメリカン航空のエグゼクティブ・クラス向けのノイズキャンセリング・ヘッドホンとして採用。その性能の高さが話題を集めた。
そして、ついに待望の民生用ノイズキャンセリング・ヘッドホンQuietComfortが2001年に登場した。当時、何度か試す機会があったが、ノイズキャンセリングの性能の高さは、現在流通しているノイズキャンセリング・ヘッドホンと比較してもトップクラスの能力があったと思う。
初代のQuietComfortはバッテリー部やノイズキャンセリング回路が外付けだったが、2003年には、これらの部分をヘッドホンに内蔵したQuietComfort2が登場した。このモデルはヘッドホン業界のエポックメイキングな商品だ。当時は、ノイズキャンセリング・ヘッドホンを製造するメーカーは数社だけ。だが、クオリティは雲泥の差だった。商品サイクルが早い現代において、2003年に発売されたモデルがいまだにQuietComfort3と並んでノイズキャンセリング・ヘッドホンの最高峰として認められているのだから、いかに当時の衝撃がすさまじかったかが分かるだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力