鈴木 薄型テレビの夢を叶えたい、というシンプルな希望から企画をスタートしました。私たち開発者が子供の頃、ロボット漫画などで見た“21世紀のテレビ”は、みな薄型で壁に張られたり、部屋の真ん中に映像だけが浮いているような未来的なスタイルでした。
しかし、2000年になって実際に薄型テレビが登場したものの、設置スタイルや楽しみ方は今までのブラウン管テレビとさほど変わりないのが現状です。これでは面白くない、従来の薄型テレビのあり方をリセットして薄型本来の夢を実現したい、というのがWooo UTシリーズ開発のモチーフです。
それは放送がデジタルに全面移行する2011年にふさわしいテレビとも言えます。2011年までには、放送と通信の融合、家庭内のAVネットワーク化など、テレビを取り巻く状況も大きく変わります。こうした新時代のライフスタイルを拓く薄型テレビを作りたいと考えたのです。
鈴木 今までの薄型テレビとは軸を変えた商品企画を行っています。今までの薄型テレビの商品性とは“大画面化と高画質化”でしたが、これには限界が見えてきたと思います。住宅事情などで大画面化には限りがありますし、映像のきれいさも、既に多くの方が満足できるレベルにまで達しているといえるのではないでしょうか。そうしたスペック競争から離れて、設置や使い方など新しいスタイルを提案することで勝負したい、というのがWooo UTシリーズの基本コンセプトです。
花に例えれば、チューリップが赤いか黄色いかを競うのではなく、まったく別のバラを作りたかったのです。一部の限られた層向けのプレミアムモデルではなく、幅広いライフスタイルに対応するモデルです。そのためには、液晶とプラズマともに更なる薄型化が重要と考えました。
鈴木 テレビの薄型化についてお客様への調査を行ったところ、薄さ50mmで「とても魅力がある」という回答は1.6%しかありませんでした。ところが30mmにまでスリムにすると同じ回答が一気に55.6%にまで増えたのです。30mm台にまで薄型にすることで、すっきりシンプルに置けることの新しさや、わくわく感を実感できるようになるのだと思います。
実際のところ国内での壁掛けテレビの普及率は約1%ととても低く、すっきり置きたい、という隠れたニーズを掘り起こすことで、新しいスタイルの提案ができることが分かりました。単に薄くするのではなく、こうしたお客様のニーズに応えるスタイル提案をしたい、というのが開発のコンセプトです。
鈴木 「レイアウトフリー」がキーワードです。超薄型化、軽量化することで壁に掛けられようになりますし、壁際から離して部屋の中に置いて楽しむ、といった今までにない自由な設置スタイルも可能になります。
このために「インテリア・コンシャス」なデザイン性も重要と考えました。モニタ部をスリムかつスタイリッシュにするためには、録画機能やインターフェースなどを省くトレードオフが必要になりますが、こうした部分をA4サイズの「Woooステーション」としてコンパクトにセパレート化し、両者をHDMIケーブルやワイヤレスユニット「TP-WL700H」(2008年春発売予定)で、シンプルに繋ぐことで、インテリア性と機能を両立させています。
超薄型液晶テレビWooo UTシリーズの最新モデルである。新開発の超薄型液晶パネルを採用し、最薄部35mmという世界最薄を達成している。スリムなモニタ部とiVDR-S録画機能などを集約した「Woooステーション」のセパレートタイプで、両者間はHDMIケーブル1本で接続できるほか、2008年春に発売予定のワイヤレスユニット「TP-WL700H」で無線接続も可能だ。32V型、37V型、42V型の3サイズともに最薄部は35mmで統一。接続ケーブルをHDMIに集約することによって、背面部までも美しい「360°beauty」なデザインに仕上がっている。
【ラインアップ】●UT32-HV700(32V型、12月15日発売 オープン価格)
●UT37-XV700(37V型、2月上旬発売 オープン価格)
●UT42-XV700(42V型、4月上旬発売 オープン価格)
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