ノークリサーチは11月20日、中堅・中小企業向けERP市場の実態調査報告を発表した。この調査は、2007年8月から11月にかけて富士通、大塚商会、住商情報システム、オービック、OBC、内田洋行、NEC、SAP、日本オラクルなどERPベンダー29社を対象に、直接面接によって調査したもの。同調査では年商500億円未満を中堅・中小企業と規定している。
調査結果によると、2006年度の中堅・中小企業向けERP市場は前年比107.8%の722億円に成長した。2007年度は前年比108.7%で785億円と見込まれる。中堅・中小企業向けERP市場は今後も順調に成長を続け、10年には1044億円に達すると予測している。
2006年度の総合シェアトップは、4年連続で富士通「GLOVIA smart(16.2%)」となり、大塚商会「Smile αAD(13.3%)」、オービック「OBIC7ex(8.5%)」と続く。シェアを大きく伸ばしているベンダーはなく、前年年同様の混戦模様が浮かび上がっているが、同時に市場の細分化も進行している。各ベンダーが得意とするカテゴリにおいて、ユーザーをどれだけ獲得できたかが総合シェアに大きく影響する結果となっている。
年商別ERP市場規模では、中堅企業Hクラス(年商300億〜500億円)は約155億円、中堅企業Mクラス(同100億〜300億円)では約197億円、中堅企業Lクラス(同50億〜100億円)では約171億円、中小企業クラス(同50億円未満)は約198億円となっている。年商50億から300億円の中堅企業が3年間で約50%増と飛躍的に成長しているが、企業規模に関係なく市場は順調に成長しており、中堅・中小企業全体にERPパッケージは導入されていることが判明している。
ベンダー戦略マップでは、「中堅企業クラスにおけるシェアと競合の中心は富士通とオービック」であること、「大塚商会モデルの進出」、「SAPモデルの中堅企業クラスへの進出」の3つを特徴として挙げている。細分化が進む市場では、各カテゴリにマッチしたマーケティング戦略が必須であり、上記の4社はその戦略を展開し始めている。このような市場の変化に迅速に対応することが、今後のERP市場で生き残るための条件であるとしている。
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