iPhoneのカメラを使って世界を見ると、景色の上にさまざまな情報が表示される頓智ドットのAR(拡張現実)ソフト「セカイカメラ」。この中に、新たなキャラクターが登場しそうだ。その名は「初音バグ」。クリプトン・フューチャー・メディアの人気歌声合成ソフト「初音ミク」から生まれた派生キャラクターだ。
初音バグは、初音ミクがしゃべる50音のうち、「あ」など1音しかしゃべれないキャラクター。初音ミクと同じく、声優の藤田咲さんの声を使っている。キャラクターデザインは「ウサビッチ」などの制作を手掛けたCGプロダクションのカナバングラフィックスが担当している。
頓智ドット代表取締役社長の井口尊仁氏は、「拡張空間に息づく生き物を出したいと思っていた」と語り、セカイカメラ内に住むキャラクターを「セカイロイド」と命名。初音バグはその1つになるという。
「街角で初音ミクに出会えたら嬉しい、と考えた。たまたまある場所を訪れたら、そのキャラクターがいて出会えたという『セレンディピティ』、いろいろなキャラクターを集めることで何かが起きる予感がする『コレクション』、常に一緒にいて、喜怒哀楽を共にしてくれる『コンパニオン』の3つをキーワードとして考えている」(井口氏)
クリプトン・フューチャー・メディアでVOCALOIDの開発を手がける佐々木渉氏は、「VOCALOID2に対して、いろいろな方からメディアミックス的な展開の話をいただいたが、ユーザーの高い期待値に応えられるサービスが考えつかなかった。50音に分解された“初音ミクの断片”であれば、簡易的に歌うおもちゃなど、もっとライトな形で楽しんでもらえると考えた」と話す。
初音バグについては、「セカイカメラにペットみたいなものを配置して、VOCALOIDとひも付けるならどういうものができるか、という逆算から生まれた」(佐々木氏)とした。
ただ、いつ、どのような形でセカイカメラに初音バグが登場するかというのは、まだ決まっていないという。「ヤマハ、クリプトン、(初音バグのフィギュア化などを手がける)グッドスマイルカンパニー、頓智ドットの4社でアイデアを出し合いながら進めていきたい」とヤマハ サウンドテクノロジー開発センター ネットビジネスグループの大島治氏は話している。
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