グーグルのサービスというとウェブベースのものが多いが、Google日本語入力はオフラインで動作する。辞書はGoogle Updateの機能を通じて更新する仕組みを取っており、ソフトのバージョンアップに合わせて随時更新されるという。
また、ユーザーが許可しない限り、入力した単語や文章がグーグル側に送信されることはないといい、プライバシーにも最大限配慮しているとのことだ。ユーザーの過去の入力文字から変換候補を表示する機能については、「シークレットモード」にすることでオフにできる。
Google日本語入力はまだベータ版という位置づけだが、3日の公開以来、「嬉しい悲鳴とはこういうことを言うのだというくらい、フィードバックをいただいている。サポート担当者が『こんなに問い合わせが活況なのは久しぶり』というくらい」とグーグル シニアエンジニアリングマネージャの及川卓也氏は話す。
Windows OSの64ビット版に未対応である点や、Mac OSの64ビット版向けインストーラに不具合がある点など、改良の余地はまだまだあると及川氏は言う。ウェブ上には間違ったままの単語も数多く掲載されているため、例えば「シミュレーション」と「シュミレーション」の両方が変換候補に出てきてしまう。こういった点をどう修正するかというのも課題だ。
日本語入力ツールを無料でグーグルが配布することで、既存のプレーヤーのビジネス環境は厳しくなる。例えば日本ではATOKを販売するジャストシステムが大手だが、赤字が続いており苦しい経営状態にある。この点について及川氏は、「われわれは日本語環境を良くしたいだけだ。IMEは市場が縮小している状態で、技術的なイノベーションが見られなくなっている部分もある。新しいアプローチでわれわれが日本語入力ツールに参入することで、市場が活性化することを期待している」と話し、グーグルの参入は市場にとってプラスとの考えを示した。
なお、Google日本語入力の対応OSはWindows 7、Vista SP1以降、XP SP2以降の32ビット版、およびMac OS X v10.5(Leopard)以降。LinuxやモバイルOSに対応する予定は「現在のところない」(及川氏)とのことだ。
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