リコーは7月27日、デジタルカメラ「GR DIGITAL III」を8月5日より発売すると発表した。価格はオープンで、市場想定価格は8万円前後の見込み。
GR DIGITAL IIIは、2007年11月に発売した「GR DIGITAL II」の後継機種となる。デザインを継承することをコンセプトとしているため、見た目はほとんど変わらない。
新開発の「GR レンズ 28mm F1.9」を搭載し、より速いシャッター速度で撮影が可能になったほか、新画像エンジン「GR ENGINE III」、新CCDの採用により、高画質、速写性が大きく進化した。また、3.0型VGA液晶モニタを搭載し、マイセッティング、Fnボタンの増加などにより操作性も向上している。
デジタルカメラ市場は、デジタル一眼レフが普及し、高画質のコンパクトデジタルカメラの機種も増加する中、ユーザーからの画質に対する要求レベルが一層高まっている。
GR DIGITAL IIに対しても、さらなる高画質化や動作処理の高速化を望む一方で、デザインや大きさは変えてほしくないという要望が多かったという。GR DIGITAL IIIの開発にあたっては、画質、高速化、操作性・表現力の向上を追求したという。
リコー パーソナルマルチメディアカンパニー プレジデントの湯浅一弘氏は、「コンパクトカメラではいい写真が撮れないと思っているお客様が多い。一眼レフでしかできないと思われている領域に踏み込んだコンパクトカメラを作った」と明かす。
GR DIGITAL IIIの画素数は、GR DIGITAL IIと同じ1000万画素だ。ただし、高感度タイプの1000万画素CCDを搭載している。「高画素化よりも、いかにダイナミックレンジやコントラストの幅を広げるか、ノイズを抑えるかが本当の意味での高画質化だと思う。何の迷いもなく1000万画素のCCDを搭載した。目論見通りの画質が得られたと実感している」と、敢えて高画素化せず高感度に対応したCCDを搭載した理由を語った。
GRシリーズは、コンパクトデジタルカメラながらも、エントリー向けの一眼レフデジタルカメラと対抗する高価格帯カメラという位置付けだ。経済が低迷する中で、販売台数にはどの程度影響があるのだろうか。
「こういう状況になる前は、撮りたいからカメラを買うのではなく、好きなカメラを買うというお客様が愛用しているため、それほど大きい影響はないだろうと読んでいた。実態は、私が読んだよりは多少影響があった。ただし、国内においてはあまり影響はない」(湯浅氏)と説明した。
一方で、一眼レフ市場の好調を背景に、不安もあるようだ。「社内的には、ケータイで写真になじまれた方が、一気に一眼レフに行ってしまうのではないかと言われているし、確かにそういう現象が起こっている。一眼レフだからいいんだ、という“一眼信仰”がある。でも、その人たちにとって本当にいい道具はGRだと思う」(湯浅氏)とアピールした。
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