レノボ・ジャパンは6月24日、ThinkPad Tシリーズの新製品「ThinkPad T400s」の発売を開始した。ダイレクトショップ価格で19万9500円より。
ThinkPad T400sは、ハイエンド向けと位置付けるThinkPad Tシリーズの中では最も薄く、厚さは21.1mm、重さは約1.8kg(6セルバッテリー装着時)と最も軽い。
自転車のフレームにも使われている軽さと強度を兼ね備えた「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」を使用することにより、ThinkPad T400sは「ThinkPad T400」と比較して、厚さ25%減、重さ20%減を実現したという。
LEDバックライト付きの液晶ディスプレイやDVDスーパーマルチ・ドライブ、CFRPを採用したトップカバーなど、同社が「究極のThinkPad」と称する「ThinkPad X300」の技術を用い、Think Pad X300とTシリーズを融合させたものとなった。
レノボ・ジャパン 大和事業所 研究・開発製品開発統括担当の磯田肇氏は、「Tシリーズのパフォーマンスを維持すること、ThinkPad X300の技術を展開することがThinkPad T400sのキーとなっている。薄さと軽さを極めるため、どのような部品レイアウトをしたらいいか(サンプルを)10数個つくり、もっとも優れた配置を選択した」と説明した。
CPUには、インテル Core2 Duoプロセッサ SP9400(通常電圧版)を採用。LEDバックライト14.1型WXGA+ TFT液晶(1440×900ドット)搭載し、最大250GバイトのHDDと最大128GバイトのSSDが実装可能だ。最長11時間のバッテリ(標準の6セルバッテリオプションのベイ・バッテリ使用時)を実現している。
礒田氏は、「CPUに標準電圧を使わなければTシリーズを求めるユーザーのパフォーマンスと合わない。高性能を保ちながら省電力設計の最適化を達成した」と話した。消費電力は、ThinkPad T400比でマイナス25%。バッテリも10%軽く、35%薄くなったという。
なお、7月中には、WiMAX通信モジュール搭載モデルも発売予定だ。WiMAX搭載モデルでは、Access Connectionsにより自動的にWiMAX基地局を検出するという。
同社によれば約5秒で基地局を検出し、15秒程度で接続。さらにUQコミュニケーションズほかMVMOの各事業者を選べる「WiMAX統合ポータルスタートページ」が起動するという。レノボ・ジャパンによれば、USBアダプタタイプのものに比べ、接続までの所要時間も安定性も上回っているという。
ノートブックPCの薄さを保つため、タッチパッドの高さをパームレストと同一にした。平面上でもユーザーがタッチパッドの位置を認識できるよう、タッチパッド部分にざらっとした感触が得られる材料を起用した。日本の伝統工芸である印傳(いんでん)からヒントを得たものだという。
このほかにも、指紋センサーを指でなぞるだけで電源が入る仕組みを導入。LED付きパワーボタンを起用したほか、USBバスパワーも採用した。キーボードはユーザーの使用頻度が高いDeleteキーとEscapeキーの面積を2倍に拡大。さらにキーとキーの間の隙間を狭くし、食べかすやほこりなどが入りにくくするなど、細かいところにも配慮したという。
マルチタッチテクノロジも搭載しており、スクロールや移動、ズームなどもタッチパッドで行える。
なお、ThinkPad T400sにあわせ、ドッキング・ステーション「ThinkPad ポート・リプリケーターIII」「ThinkPad ミニ・ドックIII」「ThinkPad ミニ・ドック プラスIII」の3機種を用意。USB用ポートやディスプレイ・ポート、eSATA、電源アダプターが搭載されている。
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